もしも自分が魔王だったら

(名前は脳内変換でお願いします)

「ふはははは!あたしは魔王!このテルカ・リュミレースを一つの海にする者だ!」

「沙耶…じゃなかった。魔王様。一つの海にする、という話は某漫画とかぶっています」

「つい台詞を間違えちゃった……お、とうとう勇者がきたか」


ふははは!馬鹿めが!
その扉を開けた瞬間上からタライが落ちてくるしかけなのだよ!


「魔王様。声に出ています」

「……」


「いたいっ!!」という悲鳴が聞こえた
扉を開けて入ってきたのは勇者の手下のカロルというやつらしい。側近のエステルがそう言うのだから本当なのだろう


「がはははっ!大丈夫か少年」

「バカじゃないの?だっさーい」

「さすがカロルだわ」

「いやぁ、いいリアクションだよ先生」

「ワンッ」


これが勇者の仲間なの?
みんなフォローどころか笑っていじってるじゃん


「ちょ、おまえらの精神攻撃で少年がタライをかぶってうずくまってるだろ!」

「へぇ、魔王サマはオレの仲間を心配してくれんのか」


勇者はにやっと笑う
あームカつく。ラーメンをそのまま頭にかぶせたいぐらいムカつく

そもそもなんだよあの黒い勇者!
あんな黒い格好した悪そうな勇者なんか見た事ないよ!!こわっ!!最近の勇者こわっ!!


「魔王様。汁がたくさん出ています」

「汗と言え」

「これが魔王なの?
あたしとそんなに変わらないんじゃない?」

「この魔王とあんたと?
ハッ、笑わせる。なら比べてみるがいい

あたしの方が胸は大きい!!」

「う……」


ノックアウト
ふっふっふっ。あたしにかかればこんなものさ


「胸なら負けてないぜ」


黒い勇者が横に指を差す

そこにはボンキュッボンのお姉さんがいた


「……遊び人?」

「ふふ、こう見えても戦うの好きなの」

「魔王様!負けてはいけません!」

「エステル……」

「わたしたちには闇の力があります!」

「そうだね…ああ、そうともさ!

人間よ!見るがいい!この闇の力を!!」


椅子から立ち上がった瞬間、「ぐきっ」という嫌な音がした。


「いたたたたたたた」

「魔王様!?」

「いたたたた、これやばいって。やばいって。動かないんですけど。いや、動くんだけど動かすとやばい」

「…足をひねったんです?
そういう時はこうやって逆にひねれば……」


ぐぎっ


「いででででででで!!
バッカ!それ悪化するでしょうが!」

「すみません。拷問と間違えました」

「間違えないでよ!!」


「くくく…」という笑い声が勇者から聞こえた


「くっくっく…魔王が捻挫……あははははは」

「ひー!だっせー!いいところでひねるとか!」

「ふふっ、お茶目さんなのね」


………………


「ま、魔王様?」

「今日のところは譲ってやる!!
足が完治したら、今度こそは勝ってやるんだから!!!」

「はいはい。じゃあそれまで待ってるよ」

「絶対だぞ!別に負けを認めたわけじゃないんだからなー!」


側近のエステルは黒い勇者に礼をし、魔王を支えながら奥の部屋に向かった


「愉快な魔王だったな」

「また会いに行きたいわね」

「少年と魔導少女を拾って帰るか」


こうして
テルカ・リュミレースの世界は守られました

めでたしめでたし



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