main

□プレゼント
1ページ/4ページ


友達なんて、いなかった。

ついでに言うと“人を好きになる”なんて気持ちもよく分からなかった。

京子ちゃんへの気持ちも、好きなのか憧れなのかその判断さえもつかなかった。



そんな、俺が。










プレゼント












「十代目!おはようございます!」
「おはよう獄寺くん!」

俺の姿をみただけで獄寺くんが目を輝かせる。
みなれた光景とはいえ、毎度のごとく胸がくすぐったい。


付き合いはじめてまだ少し。その間に色んな表情の獄寺くんに会って、慣れることなくドキドキする。
俺なんかでいいのかなとか何でだろうとか、すごく不思議だけど、側にいてくれる。


「いよいよ明日がお誕生日ですね、十代目。あの、考えていただけましたか??」
「え、え〜っと…」


恋人の誕生日。
プレゼントは必需品で、でもどうしたらいいか俺はわからない…

ゲームのソフトは最近買ったし、靴も服も最近買ってもらったばかり。
欲しいものが思い浮かばない…でも特にないとか言うと悲しそうな顔をするんだよなぁ…


「じゃあ、明日の朝教えてくださいね。放課後一緒に選びに行きましょう?」


にっこりと微笑む獄寺くんにドキドキしつつ、対象的にきっと俺は引きつった笑みを浮かべてたと思う。



プレゼント…ダントツで最近の悩みだった。


次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ