ジングルベルジングルベル鈴が鳴る。 街は手を繋いだ幸せそうなカップル達にあふれ、あたかもそれを祝福するかのように、キラキラと光るイルミネーション。 愛しい誰かから、プレゼントをもらい、また贈る喜びをかみしめる季節。 そう、それはあるクリスマスのこと。
「あほツナー!ランボさんのツリーダサくするなーだもんねーっ!」 脚立からツリーに必死につかまり、自分よりだいぶ大きなツリーを飾り付ける牛柄の少年。 嬉しそうにツリーを飾る姿はとても可愛らしく、間違ってもヒットマンにはみえない。 そんな彼の横には、ゲンナリとした顔をしたまだ幼さをのこす橙色の髪の少年がいつでも彼を支えられる様、すぐ隣に立ち、同じ様にツリーを飾っていた。 「ランボ、手を動かしなよ…早くしないとご飯の時間に間に合わないだろ。」 「ぶー。ツナみたいになんでも飾ればいいわけじゃないんだもんね!ランボさんの飾りが一番キレイになるようにするんだもんね!」 いつもの如く何を言っても聞く耳をもたないっぷりに呆れをとおりこして苦笑しかでない。 もはやおまえそのものがオーナメントみたいだよ…牛柄だし。 そう心の中で呟くと、ツリーにぶらさがったランボを想像し、とぷっと吹き出す。 「むっ。ツナ〜!笑ったなぁ!今ランボさんのことバカにしたんだもんね!」 キッとツナを睨みつけると、牛柄の少年は勢い良く脚立から飛び降りる。 「あはは!なんだよ!別にバカになんてしてないよ!」 「バカバカ!ツナのバカ!」 叫びながらポカポカとツナの膝のあたりを両手で叩く。 よほど飾り付けに一生懸命だったのか、うっすら涙をうかべて。 「ツナなんてっ!!!」 わーんっ!とこらえきれず泣き叫びながら、もじゃもじゃの頭の中から素早く何かを取り出す。 向けられた紫色の筒のようなものがいったい何なのか、考える間もなくドンッという音と共にツナは煙に包まれた。 |