不思議のダンジョン?!
□小さな森
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凄い台風だった。
周りの木々がありえないくらい傾(かし)ぐ程に。
でも、家とかは別に飛ばされていない。
飛ばされたのは
オレ達だ…
なんでだろう?
まるで、あの台風はオレ達を選んだみたいに巻き込んで行ったんだ…
***
「……」
ここ、何処だろう?
***
「……ろ」
もしかして、また…
***
「しっかりしろ!」
ティーダ
「?!」
急に聞こえたしっかりした呼びかけ。
一気に現実に戻され、目を覚ます。
***
「気分は?」
ティーダ
「…え…あ…」
え、何…?何…?!
***
「大丈夫か?」
ティーダ
「だ、誰?!っていうか何?!なんでモンスターがしゃべってるんスかー?!」
***
「何あんた?自分だって同じじゃないか」
ティーダ
「え…」
***
「はぁ…最近はこんな奴ばかりか?」
目の前のモンスターは大きな溜め息をはくと、水溜まりにオレを連れてきた。
見てみろ、と合図され、恐る恐る水溜まりを見てみる。
そこに映っていたのは…
ティーダ
「な、なんでー?!なんだよコレ!オレどうなっちゃってるんスか?!」
***
「どうもこうもあんたは、あたしには普通のピカチュウにしか見えないが?」
ピ、ピカチュウ?!何それヤダこれ←
***
「名前は?」
ティーダ
「えっ?」
***
「な ま え」
ティーダ
「ティ…ティーダ」
***
「ティーダね。珍しい名前ね。まぁ、この前拾った奴も珍しかったけど」
ティーダ
「この前拾った?」
***
「ヒトカゲが道端でぐんのびてたから拾ったの。邪魔だろ?」
それ…倒れてたとかじゃなくて…?
エナ
「何見てんの?あぁ、名乗るの忘れてたね。あたしはグラエナ。エナって呼んで」
ティーダ
「あ、あぁ…よろしくッス」
エナ
「とりあえず大丈夫そうだからこのまま森を抜けよう。歩けるだろ?」
ティーダ
「平気ッス」
そのまま二人(否、二匹)は歩きだす。
小さな森だったのか、たやすく抜けた。