不思議のダンジョン?!

□沈黙の谷
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ティーダ
「なぁバッツー!なんかあったー?」


 集合場所の階段がある部屋に、ティーダがぴょんぴょんと駆けて来る。

 ティーダ、バッツ、クラウドの三人で手分けしてフロアを詮索(せんさく)していた。


バッツ
「いや、何も無かったぜ」


 そっちは?と問い返すと、ティーダも残念そうに首を横に振る。


ティーダ
「見つけたのは、オレンの実、ピーピーマックスくらいッス」


 いや、俺なんてアイテムすら見つけてないんですけど…

 などと冷や汗を垂らすバッツに追い撃ちをかけるようにクラウドがこれまた大量のアイテムを持って帰って来た。


ティーダ
「わ、すっげぇ。しばりだまにチーゴの実、パワーバンダナに…ゴローンの石!」


 それらを持っていたバックに仕舞うティーダ。

 その後ろで、「俺、役立たずなのかも…」と沈むバッツ。


ティーダ
「エータとガブラスが引き受けた依頼、当たりだと思う?」

クラウド
「いや、ただのよくある依頼だろう」


 救助隊をやっているからには、依頼された仕事はやるべき。

 例え何一つ自分達の手掛かりになりそうにない依頼でも、困っている者は助けなければ救助隊とは言えない。


クラウド
「とにかく先に進もう。このフロアには無いようだ」


 そう言って、三人は次のフロアへと進んだ。

 しかし、次の階もまたその次の階も、依頼された品は見当たらない。

 エナ曰く、アイテムが欲しいという依頼は、運次第で一日でこなせない時がほとんどだと言う。


ティーダ
「へとへとッス…」

クラウド
「少し休憩しよう」

バッツ
「じゃあ、俺はまだ体力ありあまってるから周り見てくるぜ」

クラウド
「頼む」


 二人を部屋に残し、バッツだけで周りの部屋を見てくる。

 きっと俺だって役に立つはず!

 そう自信を持ってずんずん進んで行った。


ティーダ
「バッツ…頑張るッスね〜」


 ずっと歩き詰めのはずなのに、休憩もしないで一人で詮索に向かった。


クラウド
「きっと『俺、今のところ全然役に立ってない…』って責任感じてるんだろ」


 図星だったわけで…

 フロアの奥でバッツの大きなくしゃみが響いていた。
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