不思議のダンジョン?!
□群青の洞窟
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ぴちょん…ぴちょん…
ひんやりとした空気、薄暗い空間。
背筋に水滴が落ちる。
冷たくてびっくりして肩が跳ねる。
そのたびにパリパリと弱い電気が自分から発せられる。
自分の姿に異変が起きてるのは理解している。
だが、何故こうなったのかは理解出来ない。
途中見つけた水辺で自分を見たらギョッとした。
羊…しかも二足歩行している。
いや、それは私が"人間だから"かもしれない。
ライトニング
「それにしても…」
だいぶ奥まで来てしまった。
自分の手を見る。
可愛らしいピンクの手…こんな姿、私の性に合わな…じゃなかった←
途中モンスターに襲われて、とっさに放ったのは使い慣れたサンダー系魔法。
武器は無いが、これさえ使えれば大丈夫だろう。
だが、今そんな状態でもなくなってしまった。
ライトニング
(MPが尽きてしまったか…)
弱々しい電気しか放てない。これでも、相手を麻痺させるには十分なのだが、やはり心もとない。
とりあえず、歩き詰めで疲れてしまった。
少し休もうとしたのだが…
ジャリ…
ライトニング
「ッ…」
また敵か!ライトニングが身構える。
睨みつける先、暗がりから姿を現したのは漆黒の毛並みが印象的なモンスター。
ライトニングはとっさに判断をくだした。
このモンスターは強い。とてもじゃないが、勝てる確率は僅かだろう。
だが、このまま殺されるわけにもいかない。戦う手段はもう尽きてしまったが、臨戦体勢だけは崩さない。
しばらく対峙していたのだが、モンスターはいっこうに攻撃を仕掛けて来ない。それどころか、攻撃するそぶりさえ見せない。
ライトニングが戸惑っていると、モンスターが急に走り出した。
ライトニング
(しまッ――)
ドサリと音がした。しかもライトニングの後ろで。
恐る恐る振り返ると、デカイ口を開けたコウモリみたいなモンスターが倒れていた。
先程走り出したのは、このモンスターからライトニングを守る為だったのだ。
モンスターは両の耳をぴくりと動かすと、声を張り上げた。
エナ
「エータ!おいで」
その呼び掛けに、暗がりからもう一匹。小さなサルが駆けて来る。
サルは嬉しそうにピッタリとモンスターにくっつく。