不思議のダンジョン?!

□おおいなる渓谷
1ページ/5ページ


 どこか神聖な空気が漂う渓谷がある。

 おおいなる渓谷。

 その奥地に、過去も、未来も見通すポケモンが居る。

 その名はネイティオ。

 彼なら、何か知っている。

 そんな気がするのだ。


ティーダ
「占い師みたいッスね」


 ティーダが歩きながら小石を蹴る。

 確かにこの渓谷は荘厳で、敵も強い。


クラウド
「そのネイティオという奴に会えば、エナの探している奴らも、俺達が元に戻る方法も分かるのか?」

エナ
「…100%分かるわけじゃない」


 いつも見えているわけではない。見えない時もあるし、未来の場合変わる可能性を秘めている。


バッツ
「そのネイティオって奴、凄いのか?」

エナ
「ずいぶん前に…あんた達が現れるずっと前、大地震があった」

ティーダ
「エナ達が救助隊してた…?」


 エナが頷く。


エナ
「あの時、一人の人間が居た。あんた達と同じ、ポケモンの姿で」

ティーダ
「そいつ、元に戻ったのか?!」

エナ
「戻ることが出来た。けど、あの子は人間に戻ることを拒絶した」

バッツ
「なんで?」

エナ
「あの子はこの世界を救う役割を持って来た。この世界を救ったことで、あたし達を知り、共に戦ったパートナーと離れたくないと。一度戻りかけたけど、再び戻って来たの」

クラウド
「その人間、今は?」

エナ
「パートナーと旅立ったよ。楽園を作るんだ、てね」

バッツ
「パラダイスかぁ」


 エナがクスクスと笑う。


エナ
「あんた達も作りたくなるかもよ」


 バッツがあははーと笑う。ティーダがクラウドに「バッツ入りかけてるッス」と耳打ちすると、クラウドはやれやれと呆れるのだった。






 敵が強いと言えど、ベテラン救助隊と今まで神の戦いをしていたメンバーだ。おおいなる渓谷も難無く進む。

 渓谷の奥。視界が一気にひらけた。

 広い足場があり、その先は切り立った崖。眼下には壮大な森を見渡せる。

 遠くの空を見透かすような目で見ているポケモンが一匹。

 彼がネイティオ。過去も、未来も見える眼を持つ。

 ネイティオは振り返らず、静かに口を開く。


ネイティオ
「久しぶりだ。ここに、"人間"が来るなんて」

バッツ
「分かるのか?」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ