不思議のダンジョン?!
□おおいなる渓谷
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どこか神聖な空気が漂う渓谷がある。
おおいなる渓谷。
その奥地に、過去も、未来も見通すポケモンが居る。
その名はネイティオ。
彼なら、何か知っている。
そんな気がするのだ。
ティーダ
「占い師みたいッスね」
ティーダが歩きながら小石を蹴る。
確かにこの渓谷は荘厳で、敵も強い。
クラウド
「そのネイティオという奴に会えば、エナの探している奴らも、俺達が元に戻る方法も分かるのか?」
エナ
「…100%分かるわけじゃない」
いつも見えているわけではない。見えない時もあるし、未来の場合変わる可能性を秘めている。
バッツ
「そのネイティオって奴、凄いのか?」
エナ
「ずいぶん前に…あんた達が現れるずっと前、大地震があった」
ティーダ
「エナ達が救助隊してた…?」
エナが頷く。
エナ
「あの時、一人の人間が居た。あんた達と同じ、ポケモンの姿で」
ティーダ
「そいつ、元に戻ったのか?!」
エナ
「戻ることが出来た。けど、あの子は人間に戻ることを拒絶した」
バッツ
「なんで?」
エナ
「あの子はこの世界を救う役割を持って来た。この世界を救ったことで、あたし達を知り、共に戦ったパートナーと離れたくないと。一度戻りかけたけど、再び戻って来たの」
クラウド
「その人間、今は?」
エナ
「パートナーと旅立ったよ。楽園を作るんだ、てね」
バッツ
「パラダイスかぁ」
エナがクスクスと笑う。
エナ
「あんた達も作りたくなるかもよ」
バッツがあははーと笑う。ティーダがクラウドに「バッツ入りかけてるッス」と耳打ちすると、クラウドはやれやれと呆れるのだった。
敵が強いと言えど、ベテラン救助隊と今まで神の戦いをしていたメンバーだ。おおいなる渓谷も難無く進む。
渓谷の奥。視界が一気にひらけた。
広い足場があり、その先は切り立った崖。眼下には壮大な森を見渡せる。
遠くの空を見透かすような目で見ているポケモンが一匹。
彼がネイティオ。過去も、未来も見える眼を持つ。
ネイティオは振り返らず、静かに口を開く。
ネイティオ
「久しぶりだ。ここに、"人間"が来るなんて」
バッツ
「分かるのか?」