仔犬の居るレストラン

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ガシャーン!!!

ティーダ
「なんスかコレー?!」


 レストラン開店前。

 ティーダの叫び声が轟いた。


ジェクト
「ったくギャーピーギャーピーうるせぇなぁ!」


 厨房で仕込みをしていたジェクトが叫び声を聞いてティーダ達の部屋へと上がる。

 今日は大事な日だというのに。


ジェクト
「おらぁ!チャッチャと着替えて手伝わn――」

 バフンッ


 部屋の扉を開けた瞬間、ジェクトの顔面に枕が直撃した。


ティーダ
「なんなんだよコレ!ふざけんなよ!」

ザックス
「だぁーかーら、俺じゃねーって!」


 ティーダとザックスが何やら言い合いをしている。

 ジェクトが来た事なんか、これっぽっちも気づいていない。


ザックス
「なんだよー。別にいいじゃんこれくらい。前のチャイナだって大好評だっただろ?」

ティーダ
「良くないだろ?!こんなん着てお偉いさん達の前に出ろってのか?!」


 そう訴えるティーダの手には、今日着るウエイター衣装。

 ザックスは既に着替えていて、執事の衣装を見事に着こなしている。


ティーダ
「毎回毎回、なんでオレだけこのパターンなんだよ!」


 ティーダに用意された衣装は、メイド服。

 どこで手に入れて来るのか、フルで揃っている。


ティーダ
「本当にザックスじゃないのか」

ザックス
「違うって!」

ジェクト
「どうでもいいからさっさと着替えて降りてこねーか!!」


 ジェクトの枕を持つ手がワナワナ奮えている。

 もう、いろんな意味でブチ切れ寸前だ。


ティーダ
「だってオヤ――」

ジェクト
「いい加減言うこと聞かねぇと、ミニスカにしてやってもいいんだぜ?


 ダークな雰囲気で言い放ち去って行くジェクト。

 きっと、ミニスカどころかズタボロだ。

 ティーダは渋々衣装を着るしかなかった。
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