仔犬の居るレストラン

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カラン、カラン…


ザックス
「いらっしゃいませ!」



 港町の小さなレストラン。今日も予約と人でいっぱい。

 店員の元気な声が心地好く響く。


カラン、カラン…


ティーダ
「いらっしゃい…あ!フリオニール!」


 当店の看板マスコット(←)のティーダが太陽のような笑顔を見せる。

 例え自分に向けられたものじゃなくても、この笑顔を見る為に多くの客が振り返る。

 そして、名指しで呼ばれた者を羨ましく見るのだ。


フリオニール
「よ、ティーダ。元気そうだな」

ティーダ
「当たり前だろ?フリオこそしばらく来ないから心配したッスよ〜?」


 フリオニール。彼はこの店の常連だ。

 やはりティーダの笑顔に魅せられた者である。


フリオニール
「少し遠出してたんだ。今日は仲間と一緒なんだ」

レオンハルト
「良い店だ。フリオニールの案内だから不安だったがな」


 それはどういう意味だ!とフリオニールが睨んだ。

 ティーダが苦笑しながら席へと案内する。厨房の近くの席だ。

 カウンターからはチラリとオーナーが見える。


フリオニール
「ジェクトさん、ご無沙汰してます!」

ジェクト
「おう!フリオニールじゃねーか!相変わらず頼りねぇ顔してんな」


 ジェクトが豪快に笑う。

 レオンハルトが小さく「確かに」と笑うのが分かる。


フリオニール
「これでも強くなったんですよ?」

ジェクト
「本当かぁ?まぁ、ティーダよっかはまだいい方か」

ティーダ
「よけいなお世話だっつの!」


 ティーダが口を尖らせてジェクトを睨む。

 その姿もまた可愛いのだ。ジェクトにとっては少しも威嚇になっていないことだろう。

 寧ろその様子を見ていた女性客から「可愛い!」という声が漏れる。


マリア
「親しみやすいお店ね」

ミンウ
「メニューも豊富だな…これが良いかな」

レオンハルト
「フリオニール、何にするんだ?」


 メニューを見ていた仲間がフリオニールを見る。

 あとはフリオニールの注文だけだ。


フリオニール
「俺はもう決まっている!」


 なんか気合い入ってるな。と思いつつ、レオンハルトはじゃあ注文を…と口を開くが…


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