仔犬の居るレストラン
□Menu.3
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今日のレストランはレストランらしく静かだ。
混雑もしていないので注文の品を持つザックスはスイスイとお客のところへ行く。
ザックス
「お待ちどーさん。バカリンゴの蜂蜜焼きパイ包みです」
ティファ
「今日はやけに静かね」
常連のお客がぽつりと呟く。
目の前のパイをサクサクとつつくと、中からリンゴと蜂蜜の甘い香りが広がった。
ティファ
「嬉しい!このパイ大人気だからいっつも食べられないのよね!」
クラウド
「ザックス、ティーダはどうしたんだ?」
ザックス
「んあ?ああー、ティーダは今日休みなんだ」
リンゴアイスを机に並べ、少し溜め息混じりにそう答えた。
クラウド
「休み?」
ザックス
「あぁ、風邪引いたんだよあいつ」
ティファ
「珍しい。どうしたんだろう?」
今、店の中はザックスが一人で忙しなく動き回っている。
ザックス
「疲れを隠してたんじゃないかって医者に言われたよ。思えば、俺が騒いでるうちに全部やっといてくれてたもんなぁ」
クラウド
「真面目だからな」
ザックス
「なんだよー?!俺が不真面目だってのかぁ?!…だよね。そう思うよね…」
ハァ〜と肩を落とすザックス。ティーダに無理をさせた事に責任を感じてるみたいだ。
ザックス
「なぁクラウド。今日だけでいいからティーダの代わりn―
クラウド
「興味ないね」
ザックス
「即答かよぉ…」
クラウド
「ティーダの見舞いに行かせてくれるならやってもいいが?」
ザックス
「それはダーメ。一人で頑張るよ。だから今日は人数を限定して予約客だけにしたんだ」
ティファ
「だから混雑してないのね」
そうそう。と頷くザックスの肩をアンジールが叩く。
アンジール
「ボサッとするな。オーナーがご立腹だぞ?」
カウンターからのぞく厨房を見ると、イライラとザックスに目力を送っているジェクトの姿が見えた。
今にも目からビームが出そうだ。
やっべぇ!と慌てて動き回るザックス。
そんなザックスにアンジールが苦笑した。
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