ノベル2

□ROSY
1ページ/7ページ



「はぁー。」

誰かがため息をついた。やめなさいよため息なんか、辛気臭い。うんざりして、そいつを睨んでやろうとして、ここがどこか思い出した。自分の部屋。当然部屋には自分一人だけ。ため息をついたのは、どうやら、自分だったらしい。それこそ、うんざりする。


時計を見ると、2時を過ぎていた。どうやら、机で勉強しているうちに、ぼーーっとしてしまったらしい。

(当たり前みたいにエリートエリート言うけど、結構大変なんだから)

一応大学卒業の資格はあるものの、いざ肝心なときにその知識が出てこなかったら、わざわざ資格を取った意味がない。資格を取るまでのがんばりまで、疑われるなんてたまったもんじゃない。



『アスカは碇君が好きなのよ』


ふいに、昨日のヒカリとの会話を思い出す。ヒカリは取り留めのない、いわゆる“コイバナ”のつもりで言ったらしかったけれど、なんだかずっとその言葉が引っ掛かっている。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ