ノベル2

□夢幻逃避
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ぼくは一人で遊んでいた。今日はお父さんもお母さんもお仕事だし、友達もみんなどこかへ行ってしまっていたから、一人でそりで遊んでいた。


でもさすがに飽きて、そりの中に寝そべっていると、すごく眠たくなってきた。
だって、雪がひたすら降ってくるのをそりの中から見ると、きりがない。次から次へと、雪は降ってくる。たしかに綺麗だけど、やっぱり飽きてしまう。


雪の中で寝たら死んでしまうってお父さんが言ってたからだめなのはわかってるんだけど、どうしても眠たくなって、ぼくはとうとう眠ってしまった。





そのとき、不思議なことが起こった。だれかがぼくの頬に触った。ぼくは目を覚ました。



目を開けると、とっても綺麗な男の子がぼくを覗きこんでいた。
見たことのない子だった。真っ赤な目に、銀色の髪の毛。外国の人かな?


「ありがとう、ぼく眠っちゃってたから、起こしてくれたんだよね?」


男の子はぼくが話しかけると、びっくりして頬から手を離した。へんな子だなぁ。


「ぼくは碇シンジっていうんだ。きみはなんて言うの?」
「・・・ヲル」
「?」
「カヲルだよ。渚、カヲル」


カヲル君は、小さいけど綺麗な声をしていた。


「よろしくね、カヲル君」
「よろしく?」
「友達ってことだよ。ぼくのことはシンジって呼んでね?」


カヲル君はしばらくびっくりした顔のままだったけど、しばらくするとうれしそうに笑った。


「よろしくね、シンジ君」



こうしてぼくとカヲル君は友達になった。



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