ノベル2

□夜話
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ミサトは珍しく、一人で飲んでいた。それも、かなりの量を。なのに、酔えなかった。こんな時に限って、頭は相変わらず平然としたままだ。
(ちょっと言い過ぎたかしら・・・)
いくら飲んでも、浜にしゃがみ込むシンジの横顔が頭から消えない。これからどうやって生きていくんだろう、 と思わずにはいられなかった。彼がよりどころにできる人間は、もういないのだ。そして自分は、彼のよりどころにはなれない人間だった。
諦めて店を出た。いつもより青い月が、見えた。
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