ノベル2

□証
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「渚は死ぬの怖い?」

シンジ君は体勢を変えて僕の方を見た。でもあくまで僕の方を見ただけで、その目は僕を見ていなかった。

「は?」
「僕のせいで渚まで死んじゃう気がするんだ」
「そんな・・・」

やばい。シンジ君は強いことない。いや、強いんだけど、いったんぐらっとすると、ボロボロになっちゃう。たとえば今みたいに。それはやだ。シンジ君は僕が守らなきゃ。

「僕が死んだら、幽霊になって毎晩シンジ君の入浴シーン覗いてあげる」

僕が言うとシンジ君は目を大きくして驚いて、それから目を細めてばか、と言った。よかった。いつものシンジ君に戻った?

「じゃあうちのお風呂にはお札貼りまくらなきゃね」「えー。死んじゃったんだもん、いっぺんくらい見せてよ。冥土の土産に」
「死んじゃってからじゃあ冥土の土産じゃないよ」
「あ、そっか」
「ともかく見せてやんない」
「シンジ君のけち」
「けちで結構。変態よりマシだし」
「あ、失礼な!」

シンジ君は笑っていたけれど、僕はまだ不安だった。シンジ君はなんだかんだずっと僕の頭を撫でていた。普段のシンジ君は、そんなことしない。
するのは、すごく機嫌がいいときか、すごく不安なときだ。
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