小説
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プロローグ
何かが焼け焦げる臭いがする。
あたりは一面炎に包まれ足元は血の海だった。その海の中には動かなくなった人間と思われるものが沈んでいる。
吸う空気は鉄と焦げ臭さが混じって胸がムカムカしていた。吐き気もあるが吐いている暇などない。
歩かなければ・・・
動かなければ・・・
止まれば死
死にたくない。
足を上げようとするが、重くて動かず、引きずっていた。
しかし、その足もすぐに動かなくなり、体を支えておける力もなく崩れ落ちた。そして、そのまま意識を失った。