小説

□Release
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     プロローグ


 何かが焼け焦げる臭いがする。
 あたりは一面炎に包まれ足元は血の海だった。その海の中には動かなくなった人間と思われるものが沈んでいる。
 吸う空気は鉄と焦げ臭さが混じって胸がムカムカしていた。吐き気もあるが吐いている暇などない。
 歩かなければ・・・
 動かなければ・・・
 止まれば死
 死にたくない。
 足を上げようとするが、重くて動かず、引きずっていた。
 しかし、その足もすぐに動かなくなり、体を支えておける力もなく崩れ落ちた。そして、そのまま意識を失った。
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