小説

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 キーンコーンカーンコーン
「今日はここまで、掃除当番のやつはちゃんと掃除して帰るように」
 授業の終わりの鐘の音と共にガタガタっという音がし、その中に担任の声が響いた。
「おい亜樹、学校終ったぞ!まだ寝てるつもりかよ〜」
 亜樹と呼ばれた少年は、ゆっくりと目を開けた。
「・・・・・学校終ったんなら起きる」
 亜樹はそういって顔を上げた。すると、声をかけてきた亜樹の友達の賢悟が驚いた。
「亜樹、なんか顔色悪いけど・・・悪い夢でも見たか?」
「うんまぁ・・・あんまりいい夢じゃなかったね、グロイ感じ」
「どんな?」
 そうとわれ、亜樹は帰りの準備をしながら、今見た夢を思い出し、簡単に説明した。
「なんか鮮明だな、説明が。でも所詮は夢だろ?」
「そうだけど・・・・なんか気になるんだよ。臭いとかすごい覚えてるし」
「ただの夢なんだから気にすんなよ〜とにかく早く帰ろうぜ、学校終ったのにまだいるのは時間が惜しい〜」
 賢悟はそういって、廊下に向かって歩き始めた。亜樹も席を立ち、賢悟の隣に並んだ。
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