FF6

□最終幻想Y〜そのに〜
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「…とりっぷ?なんだそれ。」

今あたしはロックと(呼び捨てでいいと言われた。)エドガーに砂漠にいた理由を話したところ。聞き慣れない単語に首を傾げたロック。


『分かりやすく言うと異世界にとんでく…こと?』


そうとしか言えない。そして何より、エドガーってこんな恐い人だっけ?こっちをずっと睨みつけてる。…きっと警戒してるんだろうな。


「名無しさんどうした?顔色悪いぞ。」

『ん。平気だよ?ありがと、ロック。』

「あっ。いや。別に…。」


笑顔で答える。勿論エドガーから視線は外さずに。


「つまり君は異世界から来たと言いたいのかな?」


『…はい。あたしの予想の範囲では、それが一番妥当な答えです。』


エドガーが言った言葉にしっかりと返す。ここで疑われたらおしまいだから。


「私には名無しさん、君が嘘をついているようにしか見えないが。」


さくりと心に突き刺さったのはその言葉。そう思われても仕方ないのに目頭が熱くなる。…ダメだ。まだ。


『っ…。嘘…だと思いますか?』


涙をこらえつつエドガーに言う。

『例え嘘だったとしたらあたしはこんな場所にいません。…家族と幸せにしています。友達と語り合っています。』


自分では泣くつもりはないのに涙声なので多少エドガーは驚いている。が、構っては居られない。


『もし帰れるなら、帰してください。あたしは…。』


言葉に詰まってしまった。もし帰れるなら?帰れるなら何をするの?この世界には苦しんでいる人がいる。その人を置いて逃げるの?


『あたしは…。』


一瞬気が緩んで涙が一滴落ちてしまった。これ以上言葉が出てこない。


「名無しさん…。」


何かをロックが言いたげだけれどあたしは無視してエドガーの方へ向いた。


『あたしは…。』

「…すまない。」


少し眉を下げて言うエドガー。なんか悪いことしたとか思ってるのかな…。何かを言いかけたような気もしたが、あたしには聞こえなかった。


『…いえ。』


とりあえず首をふり大丈夫と伝える。少しして落ち着いたあたしをみて、ロックは疑問を口にした。


「住む場所はどうするんだ?」

確かに心配な部分ではあるが、今のあたしに聞かれてもわからない。


『へ?』


出て来たのはひどくマヌケな声で。それを聞いたエドガーが笑って有り難い発言をしてくれた。


「私が用意しよう。」


正直不安でいっぱいなんですがね。サウスフィガロにでも住ませるつもりですか?
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