嵐になれ桜になれ!

□第5章
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「じゃ、行こうか」


『はぁ・・・』


やる気がない返事をしてから思い出した。


『・・・やばい』


国語のプリント提出してない!


思い出してからその場にしゃがみ込んでため息を吐いた。 別に土方先生は怖くないから良いんだけど、忘れたらうるさいからなぁ…。


『すいません、先輩。 ちょっと行くところあるんで失礼します』


鞄を漁りながら職員室の方へ歩いていこうとすれば、制服の襟を掴まれる。


沖田「行くところってどこ? ついて行くよ」


『・・・後悔しても知りませんよ』


沖田「しないしない」


『そうですか。 じゃあ・・・』


鞄のチャックを閉め、止め具もしっかりと止め、沖田先輩の腕を振り切って開いている窓から飛び降りた。

あ、ちなみにここ、2階です。 あんまり高くはないけどね。

何も植えられていなくて草だらけの花壇に着地して上を見上げれば、驚いた顔の沖田先輩。


沖田「なっ・・・」


『先輩、さよーなら』


言うなり、その場から走り出して一気に職員室に行った。


『土方せんせー、プリント出しに来ました』


土方「・・・あぁ、そういやお前出してなかったな」


きちんとプリントを提出して、ついでに沖田先輩のことも告げ口してやった。


『沖田先輩、サボってましたよ? 剣道部なんでしょう? あの人』


にっこりと笑顔で言ってやれば、土方先生は目を見開いて驚いていて、我に返ればため息を吐いた。


土方「ったく、あいつは・・・。 ちょっくら探しに行って来るか」


教えてくれてサンキュー。 と言われ、心の中でざまぁみろ。 と思いながら笑顔で手を振って見送った。
さて帰ろうとすれば、後ろから原田先生が話しかけてくる。 暇つぶしに、土方先生が座っていた椅子に座って机を物色する。
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