私はあなたに本当の恋をした

□は? だから何?
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薄暗い路地裏、プラスチックのゴミ箱がところどころに置いてある。 そして、壁や地面には、点々と赤い血の跡。

そこに、俺と1人の不良はいた。


ガタガタ…ッ


不良「ひぃ! も、もうやめてくれ…っ! 悪かったよ!!」


『は? 聞こえねぇなぁ。 もういっぺん、言ってみろ、よっ』


そう言って、不良に蹴りを入れる。 俺はまだまだ大丈夫だが、不良は泣き始めてしまった。


『何? お前、これぐらいで泣いてんの? どんだけ弱ぇんだよ!』


倒れこんでいる不良を何回か踏みつければ、不良は泣きながら逃げて行った。 面白くねぇ奴。
俺はため息を吐いて地面に座り込み、頭を抱える。 すると、俺の前に1人の学ランを着た奴がやって来た。


『・・・何か用? 不二』


そう。 ソイツは不二だった。 靴で丸解り。 歩き方も不二だったし。


不二「気が済んだ?」


『…もう帰れ。 暗くなるぞ』


不二の質問には答えずに、立ち上がって不二の横を通り過ぎれば後ろから話しかけられた。


不二「僕、誰かに暴力を振るうのを見るのって、嫌いなんだ」


『なかなかの偽善者だな、お前。 ・・・お前が見るのを嫌いだから、何だ?』


不二「…名前は誰かに暴力を振るって楽しいかい?」


『ただのストレス発散だ。 …本当はわかってんだ、俺だって。 自分のストレス発散なんかに、暴力を振るっちゃいけねえって。
・・・悪い、不二。 少しの間、俺たち…距離置こうぜ』


不二「・・・理由は?」


『少し、頭を冷やしたい』


不二「はぁ…。 わかった」


『サンキュ。 ・・・じゃあな』


これ、一旦返すわ。 2つつけていたネックレスを不二に返し、俺は家に帰る。 そして、家の中の家具に当たる俺は、どうかしてるな…。
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