私はあなたに本当の恋をした

□なんやかんやで大阪
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『・・・着いた』


“四天宝寺中・高等学校”と書かれた門を潜り、中等部の方のテニスコートへ行った。 すると、何故か白石や謙也など、去年のレギュラーまでいた。


財前「名前さんやないですか。 どないしたんですか?」


『ん? あぁ、ちょっとな』


白石「不二くんとケンカでもしたんか?」


『まぁ、そういうとこ。 …明日は学校休みだし、大阪で食べ歩こうかなって』


遠山「そうなん!? ほな、ワイとたこやき食べに行こうや!」


全員「金ちゃんは学校やろ!」


『俺のことは気にすんな。 てきとーにその辺ブラついてっから』


今夜はどっかで宿取って休むか…。 なんて考えていると、綺羅から電話が入った。


『綺羅か?』


綺羅「あんた、何で今まで私たちに相談しなかったのよ! 5分毎に無言電話は鳴るし、ポストの中身の手紙なんて…っ」


『だから、後悔すんなって言っただろ。 学習しねぇな、お前は』


綺羅「とにかく、すぐに戻って来なさい!」


『つっても、今大阪だし』


すると、数秒綺羅は固まったらしく、は? と、何とも間抜けな声を出した。


『今、四天宝寺中にいるんだよ。 今日はどっか宿取って…「私が許さないわ! 今すぐ迎えに行かせるから、待ってなさいっ」あ、おい!』


言うだけ言って、綺羅は電話を切った。 何なんだ、一体。


謙也「どないしたん?」


『…家出したのバレた』


一氏「家出したんかいな!?」


金色「それはアカンよっ! すぐ帰らなっ」


『いや、多分跡部とか迎えに来るだろ、綺羅のことだから。 それまで話してようぜ』


部活中だから、光と金ちゃんは部活を再開してもらって、高等部の奴らと俺は雑談をしていた。
すると、30分ぐらいしたらヘリが四天宝寺に着陸した。


跡部「おい、名前はどこだ!」


『・・・やっぱり』


白石「・・・跡部くん、ものごっつ早いな」


謙也「ホンマや。 どんなスピードで来てんねん…。 俺でも敵わんわ」


跡部は俺を見つけると、まず説教を始めた。


跡部「どんだけ心配したと思ってやがんだ! 家出なんかするんじゃねぇ!!」


『ハイハイ…。 ゴメンナサイ。 早く帰ろうぜ』


跡部「はぁ…。 すまなかったな、馬鹿名前が迷惑かけたみてぇで」


何か、跡部が保護者みたいになってきた…。 現に、親みてぇに皆に謝ってるし。


白石「気にせんどいて。 それより、早よぉ帰らんと暗くなんで」


跡部「そうだな。 じゃ、帰るか」


『あぁ。 悪かったな、皆。 また遊びに来るからな。 今度は、家出とかじゃなくて』


四天宝寺の皆に別れを告げて、跡部のヘリに乗り込み、東京へ帰った。


跡部「綺羅と不二、それから菊丸が心配してたぞ」


『ふーん…』


跡部「…どんな理由で不二と距離を置いたかは知らねぇが、早く仲直りしろよ。 不二が可哀想だ」


『善処する』


俺は外の景色をみながら答えれば、跡部はため息を吐いて、それから黙った。
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