嵐になれ桜になれ!
□第2章
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翌日(日曜日)
千姫と共に千鶴&薫と合流した直後、3人の知り合いなのか先輩なのか、数人の男子と出会った。
千鶴「平助君に沖田先輩に斉藤先輩? どうしたんですか、こんなところで」
沖田「千鶴ちゃんの後を尾けてきた…って、言ったらどうする?」
薫「通報するに決まってるじゃないか。 委員長、何故ここにいるのですか?」
何の委員長かわからないが、黒髪の人に薫が聞けば、その人は無表情で話し始めた。
その間に、沖田(?)先輩は千鶴と話し、平助君とやらは私と千姫のところに来た。
私はさっきから、千姫の後ろに隠れている。 チキンなんだよ、私!
千姫「部活はどう? 平助くん」
平助「どうもこうも、土方さん厳しすぎるんだよなー。 …それより、そいつ誰?」
私を見ながら質問してきた平助君に、千姫は私の友人の苗字名前だ、と言う。 …千姫、ナイス!! 持つべきものは友達!
藤堂「俺は藤堂平助! 平助でいいぜ、よろしくなっ」
『…苗字名前、よろしくね。 平助くん』
人懐っこい笑顔に、チキンの私でも安心して話せるようになった。 ものの数秒で。
藤堂「名前って、どこの学校なんだ?」
『明日から、薄桜学園に通うことになったんだ。 どこのクラスになるかは知らないけど…』
千姫「平助君と同じように、お菊にみっちり扱かれたのよ。 満点で通ったわ」
藤堂「すげー…。 なら、今度試験前、俺に勉強教えてくれよ!」
『・・・気が乗ったらな』
もう猫かぶりの喋り方は飽きて、普通の喋り方をすれば平助君は少し吃驚していたが、数秒すれば面白そうに目を細めた。
藤堂「そっちが本性ってワケね。 お前、なかなか面白いじゃん」
『言ってろ。 大体、初対面の人たちにはさっきの態度だ。 お前に猫被っても特は無ぇし、元に戻っただけだ』
藤堂「千姫、お前の前でもこういう喋り方なのか?」
千姫「大体はそうよ。 私は、“女の子だから”って女の子らしい喋り方をしなきゃいけない決まりもないし、気にしないタイプなの」
藤堂「ふぅん…。 でも、一つ忠告してやるよ」
『何を』
そう言った直後、腕を掴まれて皆から少し離れた場所へ連れて行かれ、“忠告”された。
藤堂「いいか? 総司にはその本性見せるなよ。 見せたら、一生遊ばれて終わりだぞ」
『…善処する』
ならいいけどよ。 と言ってため息を吐けば、皆のところへ戻されて3人組は去って行った。
『…何だったんだよ』
薫「名前、沖田にはあまり近付かないほうがいいよ」
『…わかった』
それ、さっきも言われたぞ。 とは言えなくて素直に頷けば、薫が少し笑った気がした。
千姫「さ、買い物を始めましょうか!」
千鶴「おーっ」
薫&「『おー』」
千鶴はウキウキした様子、私と薫はやる気の無いように返事をすれば、買い物がスタートした。
そして、この日も買い物が夕方まで続いたのは言うまでも無い。