私はあなたに本当の恋をした
□ライバルからの挑戦状とかイジメとか・・・
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『んっ・・・』
綺羅「あ、やっと起きた。 もう放課後だよ?」
目を覚ますと、私が起きたことに気づいたようで、綺羅はそう言った。 確かに、空を見ればもう真っ赤だ。
不意に窓の外を見ると、テニス部が練習しているのが目に入った。
(…あ、いた)
コートに視線を彷徨わせると、探していた人物はすぐに見つかった。 私の視線の先に何があるのか気づいた綺羅は、楽しそうに喋りだした。
綺羅「不二先輩ね? さっき英二と試合してたんだけど、勝ってたよ。 英二は、“負けたぁー”とか言って、大石先輩に慰めてもらってたけど(笑)」
『フフッ そう、楽しそうね』
“うん!見てて楽しかったよ!!” 幸せそうに言う綺羅に、つられるように私も笑い、視線をコートに戻すと、休憩時間になったのかテニス部のマネージャーらしき人が不二にドリンクを私に来た。
・・・まぁ、それだけなら良いのだが、何故か不二にベッタリなのは気のせいかしら?
綺羅「Σうわっ! 何あのマネージャー。 めっちゃ不二先輩にベッタリじゃんっ」
どうやら、気のせいじゃなかったらしい。
“じゃあ、朝のねずみもあの人が…?”とか“跡部って何であんなに気持ち悪いんだろう?”とか考えていた。
考えること数分、どうやらテニス部の休憩が終わったようで、練習が再開され、マネージャーはドコかに行った。
下に行き、練習を見ていようと思い席を立とうとした瞬間、私と綺羅の携帯に同時にメールが入った。
綺羅「同時にメールかぁ・・・」
『珍しいわね。 精市かしら?』
メールを見ると、“消えろ、死ね! 不二くんと菊丸くんに近づくな”と、書かれていた。 どうやら、綺羅も一緒らしい。
『コレか』
綺羅「無駄にワクワクさせるなっての。 ブンちゃんからのケーキバイキングのお誘いかと思ったじゃんっ」
・・・いつの間にそんなに親しかったんだ、2人は。
差出人のアドレスを受信拒否にすると、私のだけ違うアドレスからメールが入った。 どれだけ携帯を持っているんだ、この人は…
うんざりしつつも中を見ると、無駄に長い文章が。
“苗字名前へ
テニス部マネージャーの三上(ミカミ)です。 あ、同じ1年ね。
私は元々、不二くん狙いでテニス部に入ったので、不二くんはアナタから奪わせてもらいます。
絶対に、アナタから奪ってみせるわ”
・・・・だって。 まぁ、好きにすればいいわ。 別に止めないから。 渡す気はサラサラないから。
その日は、不二と帰る気になれなくて、綺羅と一緒に帰った。