私はあなたに本当の恋をした
□由美子姉さんとパイづくり
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家に帰ると、由美子姉さんは既に帰ってきていた。
由美子「もう帰って来たの? で、ネックレスは返してもらえた?」
『バッチリよ、姉さん』
首に下げているネックレスを見せると、嬉しそうに微笑んで私をキッチンへと腕を引いてパイ作りとなった。
あれだけ美味しいパイなのだから、きっと手間がかかるのだろうと思っていたが、実はそうではなくてとても簡単だった。
不二はリビングで私と由美子姉さんを楽しそうに見つめ、私と由美子姉さんは楽しくパイ作りに励んだ。
由美子「名前って手先が器用なのね。 羨ましいわ」
『姉さんも器用じゃない』
由美子「フフッ ありがとう」
そうこうしているうちにパイが出来上がり、早速3人でパイと紅茶でティータイムをとった。
不二「うん、美味しい。 いつも以上に美味しいよ」
由美子「そりゃ、名前も一緒に作ったからね。 …あ。 私、夕方から友達とジャズを聴きに行く約束してるの。
今日は母さんも友達と遊びに出かけてるから、夕飯は2人で作ってちょうだい。 帰るのは遅くなると思うから」
不二「わかった。 楽しんできてね」
『(ココの一家は、全員ジャズ好きか・・・) じゃあ、姉さんは夜が楽しみだね』
由美子「そうね。 でも、時々私のファンとかが声をかけてきて、店から追い出されることがあるのよ。 気をつけなくちゃ」
『そ、そう…ι』
若干姉さんに呆れつつも、夕飯は何にしようか。 なんて考えていた。