もっと青春・・・してみる?

□先輩たちの成長
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あれから約1週間。 明日は料理コンテストだ。 先輩たちはあの日から徐々に料理も上手くなっていっている。

今はちょっと難しいエビのすりみ揚げを教えている。 和風ではないのだが、幅広く料理は作れた方が良いだろう。
それに、エビのすりみ揚げは揚げ具合が非常に難しいのだ。 良い経験になるだろう。


帝「名前ちゃん、こんな感じでええ?」


『そうですね。 いい感じですので火を止めてください』


綾「名前ちゃん。 私も出来たで」


『では、2りとも皿に盛り付けてください』


2人とも楽しそうに皿に盛り付け、既にリビングにいるクララたちのところへ持っていった。
私も光の分と自分の分を持っていき、いつものように6人で食べることに。


白石「でも、部活後に油モンって健康に悪いなぁ…」


謙也「まぁ、せやな。 こう…ヨーグルトとか食べたくなるわ」


『安心しろ。 ヨーグルトもあるしレモンのケーキやシュークリームも作った』


帝「名前ちゃん、いつ作ったん?」


『昨日、先輩たちが帰った後ですよ。 毒見は光がしました』


財前「その言い方はアカンやろ。 味見と言え、味見と」


『あぁ、そうそう。 味見です。 それに、サラダもあるんだから良いだろ』


白石「…随分、用意がええな」


謙也「ホンマ、帝も綾も名前に教えてもらって良かったなぁ。 ここまでしてくれる奴はおらへんで」


普通じゃないのか? 私がしていることって…


光が静かに笑って(まぁ、他の人から見たらいつもの無表情だが…)いるのも気づかず、4人は普通に話している。


帝「ホンマ、名前ちゃんには感謝しとるんよ。 ありがとうな」


綾「名前ちゃんのおかげで、優勝は出来へんと思うけどそれ相応の物は出せるわぁ」


白石「名前、ありがとうな。 めっちゃ感謝してんで」


謙也「俺もや。 まさか、2人がここまで上手くなるとは予想もせんかったからな」


『まぁ、1週間毎日料理してたら、嫌でも上手くなる。 先輩達の成長だ。 これで、明日のコンテストは大丈夫だな』


面倒くさいものが終わる…と心の中で踊っていると、光が不思議そうな顔をして見てきた。


『何』


財前「名前、コンテスト出ぇへんのか?」


『出るわけないだろう。 面倒くさい…』


財前「でも、監督が出場用紙に名前の名前書きおったで。 付添い人は俺や」


『・・・・・あのオッサン、いつか殺す。 マジで殺す。 絶対殺す。 何が何でも殺してやる。 殺す殺す殺す殺す……


席を立ち、今から学校に行ってオサムちゃんに抗議しに行こうとしたら、謙也とクララに止められた。


白石「ちょっと落ち着きやっっ」


謙也「お前、マジで怖いっちゅーねんっっ」


『煩い黙れお前ら。 手離せ。 今からあの腐れたダメ人間を抹殺しに行くんだ』


白石「ま、まぁ、ちょっと落ち着き! な?」


謙也「まずは椅子に座ろうや! 話しはそっからや。 オサムちゃんの愚痴でも何でも聞いてやるっちゅー話しや」


『黙れへタレ。 お前は告白するときに噛んでろ。 一生噛んでろ。 そして皆から笑われろ』


謙也「忘れかけてたんに……」


部屋の隅で小さくなりキノコを栽培した謙也を見て、クララは顔が青ざめながらも私を説得してくる。


白石「ちょっと料理するだけやろ? そんな熱くならんでもええやん。 な? な!?」


『手を離せエクスタ野郎。 お前は一生放送禁止用語喋ってろ。 そして警察に捕まれ。 どうせあのカブトムシ亡くなったんだろ?
部屋のドア開けっぱなしにしてお前の家のネコがカブトムシ食ったんだろ? お前が発見したときはネコの口から足しか見えてなかったんだろ?』


白石「違うねん。 エクスタちゃんは悪くないねん。 俺がドアを開けっぱなしにしたんが悪いんや・・・
今でも大事に思ってんでー! カブリエル――!!


ほとんど息継ぎ無しに言った効果があったのか、クララも謙也の隣で小さくなりキノコを栽培し始めた。

これで抗議にいける…と思ったとき、光から頭を思い切り叩かれた。


財前「ええ加減にしいや。 早よエビ食べぇ。 俺が食うで」


『ふざけんな、それはダメだ。 食べる食べる。 食べますよ』


足早に椅子に座り、光に食べられないうちに食べきった。
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