もっと青春・・・してみる?

□皆でボウリング!
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皆でボウリング場に集まり、1レーン2人ずつ使って、合計4レーン使うことに。 もちろん、チーム対抗。
まずは、玲茅とブンちゃんチーム。 仁王と柳生チーム。 周助と梨香さんチーム。 そして、私と幸村チーム。


『・・・嫌だ! 幸村、ボウリングしそうにないじゃん!』


幸村「諦めなよ、往生際が悪いな。 それと、俺ボウリング最強だから。 伊達に神の子じゃないからね」


『ならいいや』


一同「(いいんだ・・・)」


とにかく、負けなければいいんだ、うん。 負けたら乾汁だもんね! それだけは勘弁。


『よし! まぁ、とにかくやろう!』


それから、大体2ゲームぐらいやって終わった。 面白かったよ〜、玲茅と梨香さんが。
2人とも、いざボールを投げようとしたときに限って後ろにボール飛ばすし…。
周助は少し離れたところに座ってたけど、ブンちゃんが危なかったね。 もうちょっとで頭にボールぶつかるところだったし。


幸村「名前も、あれぐらい可愛いことしなよ」


『お前の頭にぶつけてもいいならやってやるぞ』


幸村「そんなことしたら、死ぬよ?


今、殺すよ? に聞こえたのはきっと間違いだ。 聞き間違いだよ、きっと…。


『チッ…』


丸井「舌打ちかよ! お前、もうちょい女らしくしろよ」


『やってますー。 ただ、光の前じゃないとやる気出ないんだよ。 愛しい彼氏の前じゃなきゃ出来ないんですー』


そう言ったところで、急に光に会いたくなった。 …会いに行くついでに遊んでやるか。


『…ごめん。 私、用事思い出した。 帰る』


荷物を持って靴を履きかえれば、全員…いや、周助以外私の方を見て驚いている。


不二「フフッ じゃあ、行こうか」


『お前もかよ…。 梨香さんはどうするんだ』


不二「連れて行く」


決まってるでしょ? なんて自信満々に言われても困るだけだからやめろ。

私と周助は、梨香さん含め、全員が唖然としている間に帰る準備を済ませてボウリング場を出た。
あ。 もちろん、お金は置いて来たよ。 精市に渡したし。


『…周助、梨香さんは?』


不二「・・・あ」


忘れてきたんかい! なんて速攻で突っ込めば、慌てて踵を返して梨香さんを迎え?に行った。
その間に、私は私で跡部に連絡する。 車出してもらう気満々だし。


跡部「俺だ。 どうかしたのか?」


『今からそっちの合宿所に行こうと思ってね。 道がわからないから車出してもらったら助かるけど…』


跡部「車を出す分には良いが、こっちに来てあまり財前といちゃつくなよ」


『無理。 光が他の女子に取られるのなんて見たくないし。 まぁ、善処するよ』


今いる場所を言って電話を切れば、ちょうど2人がやって来た。


『遅いよー』


不二「ごめんごめん。 それで、電車で行く?」


『んにゃ? 車』


一言だけで済ませれば、周助はわかったらしく、苦笑いをした。


不二「相当、跡部に気に入られてるね」


『人が良いだけだよ、アイツは。 …まぁ、私みたいな女子があいつの周りにいないからな。 珍しいだけだろ』


建物を出て数分。 一台の黒いリムジンが私たちの前に止まった。 状況が理解出来ていない梨香さんは戸惑っている。
その間に、執事がドアを開いたから私と周助は乗り込み、梨香さんは1人、戸惑っていた。


不二「梨香、早く乗りなよ。 置いていかれるよ」


『そーそー。 早く乗りなって』


私たちの言葉に、焦りながらも車に乗り込むと、ドアは閉まり、車は発進した。


梨香「名前ちゃんって…お金持ちなの?」


『…まぁ、お金はあるよ。 でも、お金持ちってわけでもないなぁ』


不二「でも、名前なら豪邸でもリムジンでも買えると思うけど?」


『面倒』


うんざりしたように言えば、周助は「だろうね。 名前だったら言うと思ったよ」なんて言って笑っていた。
そこで、梨香さんの顔が少し強張ったように感じたんだ。 女の勘ってやつ?


『どうかした? 梨香さん』


梨香「…名前ちゃんには、常識がないのかな?」


梨香さんの言葉に、私も周助も顔を見合わせる。 常識はある方なんだが…。


梨香「年上の人にも敬語を使わないし、周助には彼女がいるのに全然遠慮がないし…。 親の顔が見て見たいよ!」


…こりゃ、完全にヤキモチだな。 というより、どうしようか。 親の顔を見せたいが、生憎次元が違うから見せられない。

どう言おうか迷っていると、周助が私の代わりに代弁してくれた。


不二「梨香、名前には両親がいないんだよ。 親戚も、家族もね」


少し悲しそうに言えば、梨香さんは相当驚いたようで、目を見開いて黙っている。


梨香「…交通事故とか? そんなわけないわよね? 血縁者がいないんだもの」


『面倒くさ…。 周助、全部話せば? 去年の合宿から全部』


私は構わないよ。 と言えば、周助は最初こそ躊躇ったが、諦めて全て話した。
私が違う世界からトリップしたこと、青学に通ったこと、合宿で光に会って事故に遭ったこと、四天宝寺に通っていること、包み隠さず全部。
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