もっと青春・・・してみる?

□恋愛相談
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『チェックメイト!』


只今、中学生の子たちは練習中です。 だから、私は跡部とチェスの真っ最中。
やることがなくて暇だー、と嘆いていたら、跡部が一からチェスを教えてくれた。 優しい奴だね、相変わらず。


跡部「…お前、飲み込み早くないか?」


『フハハ! 私を甘く見るなっ』


駒を元に戻していれば携帯に電話が入り、出てみると光だった。


『光! どしたの?』


財前「休憩に入ったから電話してん。 で、今何やっとんの?」


『今はチェスやってたとこ。 光にも今度教えてあげるさ』


財前「おん、楽しみにしてんで」


最近、光は変わったと思う。 今の返事だって、前は無愛想に“へぇ…”だけで返してたと思うし。


10分くらい話してから電話を切れば、跡部が呆れた顔でこっちを見ていた。


『何』


跡部「お前ら、同じ敷地内にいるんだから会って話したらどうだ」


『それもいいんだけどな。 …だけど、たまにはいいだろう、電話も』


お前の番だぞ。 と駒を動かして言えば、まだ腑に落ちない顔で駒を動かした。


『お前にもわかるさ。 “命短し、人よ恋せよ”ってね』


跡部「恋せよ、ねぇ…」


前田慶次の言葉を言えば、跡部が何か思いつめたあと、ソファに座りなおして相談をもちかけてきた。


跡部「少し相談に乗れ」


『・・・お前、助言を貰う方なんだから、ちったぁ下手に出ろよ。 いや、いいんだけどね?』


チェスを中断し、片付けながら話をするよう促せば、ソイツはため息を吐いて一言。


跡部「俺様に酔いしれて女が群れてくるんだ。 どうしたらいいんだ?」


もうお前1回逝け


死んでしまえ、お前なんか。 誰がお前のナルシスト話しなんか聞きたがるかよ。


『まともな恋愛相談も出来ないのか、お前は』


跡部「今のはジョークだジョーク。 好きな女ぐらいいる」


と、何だかあの跡部にかぎって言うことはないだろうと思われた言葉が、今耳に聞こえた。


『・・・え、マジで?』


跡部「まともな恋愛相談をしろって言ったのは、どこのどいつだ」


いや、そうなんだけど・・・え?


『マジ!?』


私は、コイツの相談に乗ってやれるのでしょうか? なんかハードル高そう。 跡部だし。
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