もっと青春・・・してみる?

□四天宝寺で新しい1年!
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東京から大阪に引っ越してきて、学校も青学から四天宝寺に変わった。

そして、今日は始業式。 昨日、夜遅くまでピアノをやっていた私は軽く寝坊して急いで学校の準備をしている。

今の時刻は6時。 もちろん朝だ。 なのに、光のやつはもう迎えに来やがった。 今日は朝練がないってのに、何で来るんだよ…


『光、私今忙しいんだけど…』


財前「俺はいつもの癖で起きてしもたんやから、しゃーないやろ。 朝飯食わせろや」


そう言って、ずかずかと人の家に踏み込んで勝手にリビングの椅子に座った。


『お弁当の残り物でよかったらあるけど? それが嫌なら帰れ』


財前「残りもんで充分や」


光のためにご飯をついでやり、私は残りのお弁当のおかずを弁当箱に詰めていた。


『ほれ、お前の分』


光の横にお弁当を置き、私も朝食を食べ始めた。 光が毎朝私のところに迎えに来る変わりに、毎日お弁当を作ってくれと条件を出されたのだ。
学校までの道は知らないし、元々自分の分のお弁当を作ろうと思っていたので快く引き受けた。

今日は始業式だけなので、光の分だけだけど。 私は光が部活をしているときに帰る。


財前「ん、サンキュ。 名前の手料理、やっぱ美味いわ」


『そらどうも』


2人でおかずをつついているとインターホンが鳴り、ドアを開けると光のお母さんが立っていた。


『あれ? どうかしました?』


お母さん「ごめんね。 光、名前ちゃんのとこおる?」


『えぇ、いますよ。 あ、おば様にお返ししましょうか?』


お母さん「いや、それはええんやけど… あの子、テニスバッグ忘れて行ったんよ」


困った顔をして、大きめのテニスバッグを見せた。 アイツ、テニスバッグ持って行かないで、どうやって部活するんだよ。 バカだろ?


『わかりました。 持たせますね』


テニスバッグを受け取ったとき、奥から光が出てきた。


財前「あれ、オカンやんけ。 何してん」


お母さん「光のテニスバッグ持って来たんやで。 感謝しいや」


『テニスバッグを持たないで部活する人、私見たことないよ?』


光に持たせると、今思い出したように話した。


財前「すっかり忘れとったわ…。 名前の弁当が楽しみで楽しみで」


お母さん「本当、困った子やな。 じゃあ、名前ちゃん。 光をよろしく頼んだで」


『えぇ、わかりました』


用事が済むと、光のお母さんは手を振りながら帰っていった。 私も手を振り返しながらドアを閉めた。


『ったく…お前バカだろ? どうやって部活するんだよ』


財前「…名前、口調には気ぃつけや。 オカンの前でもボロ出すで、そのうち」


『私はそこまでバカじゃないから安心しろ。 それに、学校でも口調は気をつけるつもりだ』


2人でリビングに戻り、私は食べ終わった朝食の片付け。 光はテレビを見始めた。


財前「・・・あ。 名前、お前今日1位らしいで」


『何が』


財前「占い。 …あ、俺3位や。 微妙やな」


何と言うか、意外すぎる。 光、占いとか興味なさそうなのに。


片付けが終わり時計を見ると、もうすぐ7時。 学校には20分くらいで着くらしいから、7時半に出れば良いだろう。

私は2人用のソファの光の隣に座り、大人しくテレビを見ていた。

すると、光が懐かしそうに話し出した。


財前「去年の合宿、覚えとるか?」


『当たり前。 事故にあったのなんて、あれが人生で初めてだからな』


財前「名前と玲茅が集中治療室に入っとるとき、向こうの世界の名前と玲茅に会ったで。 まぁ、名前は違うたけどな」


『マジで? どんなだった?』


財前「名前にそっくりやった真理は、言葉遣いが丁寧やったで。 名前と大違いや」


生意気にそう言った光の頭を1発叩いてやると、お返しとばかりにやり返された。


財前「玲茅は、亜莉紗によう似とったで。 元気で明るいところが」


『へぇ… その2人、向こうの世界でも元気にやってっかな?』


財前「それは知らへん。 でも、彼氏と仲良うやっとるんやないの?」


『…ま、それを祈るしかないね』


その後も、他愛ない話しをポツポツとしていると家を出る時間になったから学校へ向かった。
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