もっと青春・・・してみる?

□財前家で夕飯
2ページ/3ページ


リビングに行くと、先程の義理姉さんとお兄さんと噂の甥がいた。


財前「何やねん。 全員揃ってるやんけ」


兄「何や、そのうざそうな顔は。 …アレ? あれれのWhat?」


変な言い方をして、お兄さんは光の後ろにいる私を呆然と見た。


兄「光、彼女おったっけ?」


財前「去年の全国大会の前辺りから付き合っててん。 コイツが東京やったんで遠恋やったけどな。 今は隣に住んでんで」


『苗字名前です』


光は座り、私に“早く座れ”と目で合図してきた。


お母さん「これで全員揃ったな。 じゃ、いただきます」


私たちもおば様に続いて挨拶を済ますと、既に皿に盛り付けてある料理を食べ始めた。

・・・のは良いのだが、さっきから2人に見られている。


『…なんですか? 光のお兄さんと義理姉さん』


兄「いやー! 光、随分可愛い彼女連れて来たなー思て。 しかも、東京!」


義理姉「妹が出来て嬉しいわぁ! 名前ちゃん、子供は大丈夫なん?」


義理姉さんの隣にいる甥を見ながら不安そうに聞いてきた。 少し罪悪感があるが、嘘をつくよりはマシだろう。


『子供は苦手なんです。 私、子供の扱い方に慣れてなくて…』


義理姉「そうなん? せやったら、食事終わったら光の部屋に行った方がええで。 あそこ、避難場所やから」


財前「人の部屋を勝手に避難場所にせんどいてや」


兄「じゃあ、子供産んだら大変やな。 …で、こっからが本題や」


本題あったのかよ。 と心の中で突っ込んだが、まぁいいだろう。

お兄さんは真剣な面持ちで意味不明なことを言った。


兄「自分、M女なん?」


その言葉に、光も私もむせてしまい2人は笑い出した。


財前「何てこと言いだすねん。 意味わからんわ」


義理姉「いや、これは重要なことやで! 今は無いかもしれへんけど、いずれはメイクラブをするかもしれへんのや」


財前「わざわざ英語にせんでもわかるっちゅーねん!」


『私、前の学校では皆からドSって言われてましたよ。 今は知りませんけど』


財前「名前、Mやなかったん? 俺に叩かれて喜んでたからてっきり…」


『誰がMだ。 まぁ、S寄りの中間…ってとこですかね』


義理姉「へぇ… 光、普段からSッ気が激しいから、大変やで。 覚悟しとき」


財前「いらんこと喋っとらんで、早よ夕飯食えや」


その言葉に、2人は急いで夕飯を食べ、息子を連れて家を出て行った。


お母さん「光、短気なんやから…」


いや、話を止めないおば様もおば様ですけどね。


財前「俺は短気やない。 さっきの反応はあれで当たっとんのや」


光は完全に拗ねてしまい、夕飯をパッと食べて自分の部屋に行ってしまった。


お母さん「ごめんねぇ、名前ちゃん。 騒がしい上に下ネタな話ししてもうて」


『いえ、楽しかったですよ。 ご馳走様でした』


皿の片づけをして、階段を上がろうとするとおば様に呼び止められた。


お母さん「どこ行くん?」


『光の機嫌を治しに行ってきます』


笑顔でそう言って、光の部屋へ向かった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ