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□臆病者
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目が覚めると、見知らぬ天井が見えた
え、何処?
僕は、確か…
「僕、失敗しちゃったんだ…」
どうしよう
きっと連絡いってるよね?
迷惑掛けちゃった…
また、嫌われちゃう?
どうしよう
もう、嫌われたくないのにっ
コンコンッ
ガラッ
「…瑠架?」
あぁ、久し振りに名前を呼ばれた
まだ、寝てるふりしようかな
本当は、僕の見舞いなんか来たくないよね
でも、連絡が来たからしょうがなくて…
だったら、起きてるより寝てた方がまだ良いかな
「瑠架!」
「っ!!」
どうしよう
怒ってる?
だよね…
どうしよう、どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう……っ!!
「良かった、目覚めたんだな」
ふわり、と頭を撫でる手が気持ちい
けど、怒って無いの?
微笑んでくれるの?
「いきなり警察から電話くるから、びっくりした」
「…ごめん、なさい」
「ん、いいよ」
また、笑ってくれた
嬉しい
「瑠架、俺"♪〜♪〜♪〜"」
携帯が鳴った
僕のは、何処にあるか分かんないし、僕の設定してある音じゃない
「…悪い」
僕から離れて携帯に出ると、携帯から僅かに女の人の声がした
「は?今それどころじゃ…、……あぁ、分かった、今から行く」
そんな言葉が聞こえて、すぐに電話が切れた
「…悪い、急用が出来ちまったから、行ってくるな?」
コクンと頷いた僕を見て、病室から出て行った
本当は、行って欲しくなかったけど…
僕がそんな事言える筈無い
「……志貴…」
ごめんなさい
結局、迷惑掛けちゃって
あぁ、でも、さっきの志貴は、久々に優しくて、笑ってくれて、嬉しかった…
そういえば、今何日?
僕どれ位寝てたんだろ
あ、ナースコールした方が良いかな
知らせないとだよね
枕元にあったボタンを押して、目が覚めた事を伝えると、すぐに医師と看護士さんが来た
軽く検査を受けて、足とか骨折してるから安静にって言われた
どれ位寝てたのか聞いたら、丸二日寝てたらしい
うぅ、迷惑掛けてごめんなさい…
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