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□臆病者
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そんなに

そんなに、僕のことが嫌いなら

捨てれば良いのに…

見たくも無いって言うんなら

見なければ良いのに……

僕は、君のことが好きだけど

君は違うんでしょ?


嬉しかったんだ

優しくしてくれて

本気じゃ無くても、好きって言ってくれて

嬉しかった…


でも

でも、もう駄目だよね

君に、甘え過ぎたね

ごめんね………


君の嫌いなもの、望まないものが僕なら

僕は



















消えるしかないよね…?





















ーーー…


『ただいま、……瑠架?』


…おかしいな

居ない…?


『瑠架?瑠架…』


瑠架、どこ?


リビングにも寝室にも、どこにも居ない…

なんで?

俺のこと、嫌いになった?


好きなのに、優しくて出来なくて…

酷い事ばっかりで

そりゃ、嫌いにも、なるって、ね……


TRRRR、TRRRR…


電話…


あぁ、どうしようか

嫌な予感がするんだ

出たくない

出なくちゃいけない


どうか

どうか……



『はい…』

[警察の者ですが…]


あぁ、誰か嘘だと言って欲しい

悪い夢だと…










ねぇ、瑠架…

今度は、優しくするよ

酷い事なんて、何もしないから

だから

戻って来て


好きなんだ


瑠架が戻って来てくれるなら、なんだってするよ


『瑠架ぁ…』


だから、ねぇ


早く


早く


目を覚まして…
















.
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