小説
□CANON†CANON[完]
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「えぇ〜もぅ、終わり??つまんないの〜」
笑い声と共に建物の影からもぅ一人女が現れた。
サラサラの青色の髪は腰よりも長い。
セーラーを着ていなければ大学生だと言っても信じてしまう程、色気のある顔立ち。
その少女は、かもし出されるオーラは異なるものの、顔は夕緋と瓜二つ。
「空夜(あや)…ッ」
それまで殆ど表情を出さなかった夕緋が、歯を食いしばり、剣を構え、空夜を射竦めるように睨み付けた。
空夜は夕緋をみて、嘲笑った。
「力を解放して無い状態で、敵うとでも思ってるの?」
空夜が呪文を唱えると、突如水の塊が現れ夕緋を飲み込んだ。
「っ!!!!」
「決してそこから出ることなんて出来ないゎ フフフ、そこで溺れ死になさい」
笑い、夕緋に背を向け歩き出した。
ボンッ
爆発音と共に、空夜の首元の横には夕緋の剣が寄り添っていた。
全身水に濡れ、髪や服から水が滴り落ちる。
眼鏡は外れ、髪は解かれ、瞳と髪は灼熱の炎のように鮮やかな赤色に染まっていた。
「…舐めるなッ」
尻込みしてしまいそうな殺気を、空夜は大して気にしている訳でもなく、剣を利用して爆発させたのね…――っと言った。
「…私まだココで死ねないのよね」
空夜が指をパチンと鳴らすと、空夜の姿は水と化した。
水が地面に染み込み消えて行く。
「!」
『クスクス。また遊びましょう??』
どこからかそんな声が聞こえた。