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□Un angelo dell'amore
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ぱっと山本が顔を上げた。

「ヒバリ!偉いな、お前!!」
「...?」
「そうだよな、俺 間違ってた!ヒバリの言う通りだと思うのな...!恋は左右しちゃいけないんだ、自分で決めるものなのな!」

きらきらとした眼差しで、熱く語る姿は 素直で良い奴だと思える。
その様子に、少しだけ胸がきゅぅっとなった。


そしていよいよ告白の日。
呼び出して あの子が待っている姿を陰からちらりちらりと見る。
胸が熱い。

「いよいよだな。イケるか?」
「うるさい。黙って」
「あはは、ごめん」

いつもの明るい笑顔で言う。
しかし、その顔が濁った。

「あのな、ヒバリ...」
「なに」
「俺、もう消えなくちゃ」
「?!...どういうこと、それ」
「恋が成就されると、天使は消えなくちゃいけねぇの。ごめんな。
 俺ももっとお前と居たかった。楽しかったよ、凄く。今まで有難うな、頑張って」

そう言ってる間にも どんどん姿は消えていく。
あぁ、どうすれば。消えないで。

あの子と山本を秤にかけたら難しいが よく考えてみれば、今までずっと 山本のほうが大切に思ってるように感じた。
今だって、あの子と結ばれることよりも 山本の傍に居たい気持ちのほうが強い。
ねぇどうか、傍に居て、笑っていてよ。

「待って...」

手を伸ばした先には、青い青いそらが広がって 掴んだのは透明に透き通っている空気だった。











結局 告白はしなかった。
ショックで。泣くかと思った。
あぁ、戻ってきてよ。恋は叶わなかったんだから。
何時の間にか、人ではない 女でもない山本に恋をしていた。きっと、そう。
今言えることがあるなら、「大好き」
ねぇ、帰ってきて。

あぁ、目の前に君が居たなら。

そう思って夕日に手を伸ばした。
と、ふわりと何かが振れた。
白い...羽。

「っはは!くすぐってーよ」

驚いて、目を見張った。夢じゃない。

「よっ、ただいま」

やまもと。
頭が真っ白。なにこれ。どうすれば...

「俺さ、ヒバリのこと好きみてぇ」

...え?

「でな、白蘭...じゃなくて大天使に『恋をした天使は人間になるんだよ♪』って言われて。急いで戻ってきたのな」

なにそれ。どういうこと。

「ヒバリ、大好き。付き合って下さい」

勿論、答えは。




「...宜しくお願いします」



きっと二人とも顔が赤いのは、夕日のせいだと思う。
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