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□粉雪
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+オマケ+
「...あ、そうだ」
ふと、思い出したことがあった。
「ねぇ君、僕が前買っておいた日本酒知らない?
あれ、ここ最近見かけないんだよね」
「!...お、俺なんも知らねぇのなー」
「...」
じとー、っとした視線を山本へ投げる。
「ほ、ほんとだぜ...?」
「...うそつき」
「ほんとだってば」
「でもその動揺の仕方。...」
「うっ....」
「ほら、やっぱりね...酒の代償は払ってもらうよ?君の体、でね」
「え、あ ごめん!ちょっと美味しそうだったから...だから、な 勘弁」
少し困ったような表情で 自分の顔の前で手を合わせ、許しを乞う。
その姿を見下すかのような冷たい視線で見据える。
「だめ。どうせ明日は任務無いんだし いいでしょ」
「えー!だめだって、俺 明日買い出し行かねぇと」
「それは僕が行く。なんなら草壁に行かせればいいよ」
「そんな...悪ィのな」
「気にしなくていいから。
...覚悟しておいてよ?僕の酒の恨みはそう甘くはないからね」
ふふん、と思わず楽しげに笑った。
じゃらり、がちゃりと何処からともなく手錠やらネクタイやらを取り出す。
「さぁ、お仕置きはどれがいい?...君が気に入りそうなのを 粗方用意してあるんだけど」
「ぅわぁ...嘘だろ...」
「何言ってんの。現実だよ」
「...変態」
「今更、でしょ」
「...そうだったな...」
山本が、大きく溜め息をついた。
夜はまだまだ長く、続く。