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「じゃ、行ってくる!!」
「いってらっしゃーい」
今日は始業式だけだったので2限終わればすぐに英二とグラウンドに行き、30周走るとそのまま休憩もせず走って遠征に行った。英二ってまだ体力ない方なのにすごいね、グラウンドも決して狭いわけでもないのに。
さてと、桃のとこ行って入部届け出さなきゃ。
「あれ、リョーマ?」
「えりな」
「お、おい!越前!誰だよこの美人!」
「…うるさい」
「どこ行くの?テニス部はあっちだよ?」
リョーマと堀尾くんが行こうとしてる方向と真逆の方向を指すと堀尾くんは「あの2年逆教えやがって」と叫んだ。
…2年?
「2年ってツンツン頭の?」
「うん」
「そっか、先に行くね。」
「え、えりな?!」
踏ん張り、片足を出し…ダッシュでテニス部に向かう。
もうマッハで。
「はあ、はあ…いないし!」
「えりな足速すぎ。」
「いつ来たし」
速く走って来たつもりなのにすでに後ろにいたリョーマと堀尾くん。
堀尾くん死にかけてるんだけど、なぜ?
「今日は3年生とレギュラーの2年生が遠征でいないから仮入部は明日からだって。ほとんどの1年も帰っちゃたけど僕たちこの外でちょっと打っていこうかなって」
「ちぇっなんでぇ」
体操服に着替えてるカチローとカツオがそう伝える。
それよか誰か桃呼んできて。
この後試合あるし帰れないのはわかるんだけど、何か早く終わらせないんだってば!
「なあ、お前らうちのテニス部に入んのかよ?」
「2年の林と池田だ」
「「「ちわーすっ!!」」」
「2年…?桃城武呼んで来てよ」
「うるせえ、先輩には敬語使えよ」
「…お前が使えってんだそばかすがああああっ!!!!」
「え」
モブキャラ同然のお前まじ失礼どっちが林か池田かわかんないくらいのモブキャラのくせに。モブキャラのくせに。モブキャラのくせに。モブキャラのくせに!
「えりな落ち着きなよ」
「……はーい」
「いいゲームあんだけどやってみねえ?」
無理矢理原作に戻すのやめてよね。本当に初日からイライラさせてくれる。カルシウム足りてないのかな。
「え?ゲーム?」
反応するのは堀尾くんたち、リョーマを除く一年生。やめとけばいいのに。先輩とするゲームなんていつだってどこでやったってロクなモンじゃないんだから。
「ルールはいたって簡単。向こうからサービスを打って、10球以内でこの缶を倒せたら賞金1万円!」
元はテニスボールが入っていたものだろう、その缶をサービスコーナーギリギリに置いて「挑戦料一人200円」だからやれよと促す。
おい、お前らいっちょまえに詐欺師になるのか。本場の詐欺師が友達だったらすぐにチクるんだけど、流石に彼の連絡先は知らない。
「はーい、残念!!」
「きみたち二人終わりだよーん」
「とりゃ!!」
「あでっ?!」
「なにその言葉遣い。可愛いとか思ってるの?英二しか使っちゃいけないっていう暗黙の了解があるの知らない?その椅子から突き落としてやろうか?」
英二以外の可愛い言葉遣いは許せない。気持ち悪いだけでしょ。「よーん」って言葉遣いが気持ち悪くて寒気がしたから近くに落ちてたボールを拾い上げ審判が座ってるとこにいるやつ目掛けてなげてやると涙目で謝ってきた。
「えりな怖い。」
「だって、可愛くないし。」
「次テニス歴2年堀尾いかせていただきます!」
「しょぼい」
「えりな、本音駄々漏れ。」
10球以内に缶を倒すことはなく、まあ…一球はかすったけど石入ってんだから、素人のサーブくらいで倒れるわけないのにね。
「別にいいけど…」
「あ、聞き逃した。」
いざこざのとこ聞き逃していたらリョーマがすぐに缶に石が詰まっていることを言い当て倒し、そのあとすぐに缶が凹む程に強いサービスを打って吹っ飛ばした人物が現れた。
そう、私は待ってたの。
「桃おおおおおおっ!!受け取れえええっ!!」
「ぐえっ?!」
入部届を桃のお腹を殴るように突き出す。そうすれば桃はお腹を押さえて座り込みそうになった。
どいひー、そんな強くやってない。
「ったく何なんスか…って。ま、マネージャー志望ってどういうことだよ?!この間会った人ッスよね?!」
「うん、そうだね、再会ってやつ。」
「え、えりなマネージャーやんの?」
「まぁね、勝手に決められた。けど、楽しそうだからいいよ。」
「そっか」
「跪いて崇めなさい」
「可笑しいだろ!」
いいえ、おかしくない。
「あ、そうだ。ねえ、2人試合してよ。」
思い出したように、リョーマと桃に試合をするよう言う私に目を見開く2人。
「…観たいからね。その他に理由なんて1つもない」
「えりなってそんなキャラだっけ?」
「はーやーくーやってー。マネージャー命令!!」
「職権乱用はいけねえな、いけねえよ!!」
再会と提出
(だって、原作沿いから離れそうだったから!!)