L and えとせとら
□落ちた霆と咲いた花
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今日もボクは相棒のネイティオに乗って適当な場所に下りた。
ここがどこだかは分からない。
空を飛んでいた時間からしてきっとジョウト地方にいるんだと思う。
何をするでもなくただ歩き回ってその場を散策する。
それだけでいい。
何も考える必要のないこの時間が唯一の楽しみなのかもしれない。
最近はそんな気さえする。
どれぐらい経っただろうか。
太陽の日差しが少し暑く感じてきた頃だった。
見事なまでの晴れを決め込んでいた空を一瞬間で暗雲が立ち込め、一筋と鋭い光を地面に放った。
「っ!?」
ボクが立っている所からそう遠くはない。
光が落ちたとほぼ同時に、鈍く地響きの様な大きな音がボクの聴覚を刺激した。
少しの間、突然の出来事に身動きが取れなかった。
しかしボクの隣にいたネイティオがいつも以上に激しく、そして慌てた様子で鳴いている。
そのただならぬ様子からボクはネイティオを引き連れて、雷の落ちた場所まで走った。
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