短編
□二代目はくしゅ
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「おーい…」
試しに声を掛けてみるけど、微塵も動く気配がない。
これはもうチャンスとしか言いようがない。
ゆっくりと顔を近付けて、一度だけ頬を撫でる。
「ん……」
気持ち良さそうに小さく声を漏らして、ボクとは反対側へ寝返りをうった。
ボクは静かに彼女の両隣に手を置き、またゆっくりと顔を近付けていく。
そして小さく。
「…ねぇ、おきてよ」
囁くように声を出すと、彼女は強く目を瞑る。
一瞬起きるかと思ったけど、そうではないらしい。
「…んぅ……くすぐ、たい」
そう小さく漏らして、また規則的な呼吸を繰り返す。
そんな彼女の反応が楽しくて、ボクはまた新たな作戦に出る。
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