短編

□二代目はくしゅ
2ページ/3ページ

 


「おーい…」


試しに声を掛けてみるけど、微塵も動く気配がない。

これはもうチャンスとしか言いようがない。

ゆっくりと顔を近付けて、一度だけ頬を撫でる。



「ん……」



気持ち良さそうに小さく声を漏らして、ボクとは反対側へ寝返りをうった。

ボクは静かに彼女の両隣に手を置き、またゆっくりと顔を近付けていく。

そして小さく。



「…ねぇ、おきてよ」



囁くように声を出すと、彼女は強く目を瞑る。

一瞬起きるかと思ったけど、そうではないらしい。



「…んぅ……くすぐ、たい」



そう小さく漏らして、また規則的な呼吸を繰り返す。

そんな彼女の反応が楽しくて、ボクはまた新たな作戦に出る。






.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ