短編3
□はくしゅ
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ぴょん。
言うことを聞いてくれない。
朝から何度も相手をしているのに。
「まったく、何が不満なのよっ!」
「……ぷっ、あはははっ」
私は朝からずっと、髪の毛と格闘していた。
右手にはブラシ、左手にはドライヤーを握っている。
しかし何故か、どれだけ頑張っても髪の毛は大人しくならない。
待ち合わせの時間に間に合うことができず、イツキが私の家まで来てくれた。
「別にいいじゃない。ボクは君のその寝癖まで愛するよ」
「そういう問題じゃないの!」
イツキはソファに座ったままニヤニヤ笑いながらこちらを見ている。
愛するとか言っている癖に、どう考えてもバカにしているような笑い方だ。
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