短編
□三代目はくしゅ
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「…あー、寒い」
こたつに引き篭もる私はそう呟く。
ついでに鼻をすする。
こたつに突っ込んでいる足はともかく、部屋の空気に晒されている上半身はものすごい寒い。
はずなのだが。
「そう?ボクは特別気にならないけど」
「あんた細身の癖によくこの寒さに気付かな…っくしゅん!」
さわやかな空気を一人醸し出すイツキを見たせいか、私はくしゃみをした。
するとイツキはくすくすと私を見て笑う。
「そんなに寒い?」
「ええ、とっても」
そう言って私は足を曲げてこたつの置くまで潜り込む。
イツキを追い出すように。
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