NOVEL
□伝えたい
2ページ/6ページ
夜の公園。
見渡しても辺りに人影は見当たらない。
桜が咲く季節だが、夜はそれなりに冷え込む。
寒さで冷えた手を擦り、温めようとするもなかなか温まらない。
去年の今頃は、こうではなかったと思い出す。
夜の桜を見上げながら、二人で歩いていたあの日のこと。
幸せだと感じていた、あの日のことを。
『うぅ――…、寒い…』
『だから言っただろ。寒いからマフラー持ってこいって。』
『だって…』
→
次へ
←
前へ
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ