NOVEL
□伝えたい
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「――――ア、スラン…?」
信じられなかった。
彼も、覚えていてくれたのだろうか?
高鳴る胸の鼓動。
しかし、彼は振り向かなかった。
「アスラン、なのか…?」
もう一度言うと、ようやく彼が振り向いた。
目が、明らかに驚いていて。信じられないと言わんばかりだった。
「…カガリ、」
「来てたんだ。アスランも。」
嬉しかった。
彼が今、どう思っているのかはわからなかったが、ここにいてくれたことが素直に嬉しかった。
「アスラン、私…」
もしも、時が巻き戻せるのなら
もう一度、彼に伝えたい
あの時言えなかった、言葉を。