NOVEL
□ある寒い日の夜空
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「いや―…、寒い夜は星がよく見えるってラクスがいってたからさ。」
「見るならそれなりの格好しろよ。」
「まぁ、大丈夫。」
毛布の上からでも伝わるアスランの温度に、固まっていた顔の筋肉が解れる。
再びカガリは空を見上げた。
「うーん…オリオン座しか分からないや。」
「冬と言えばオリオン座だからな。」
「流れ星見えないかなぁ。」
「この間、流星群みただろ?」
確かに、以前もこうして二人毛布に包まり星を眺めていた。
何年かに一度しか見られないという流星群を、目を擦りながら。
「流れる星も綺麗だったけど、とまってる星も綺麗だな。」
「なんだ、今日はロマンチストなカガリか。」
くすくすと、耳もとで笑われる。
擽ったさにカガリは身を捩らせた。