NOVEL
□ある寒い日の夜空
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その後、黙ったまましばらく星を眺めて。
思いたったかのように突然カガリが身体を反転させた。
「なぁ、キスして?」
「ん?どうした、珍しい。」
「…いいだろ、たまには。」
寒さで唇までかじかむ。
合わせた唇はかさかさで、冷たくなっていた。
「さ、そろそろ戻ろう?俺が限界だ。」
それは、寒さか。
それとも。
「うん。」
アスランに手を引かれ、二人は暖房の効いた部屋へと戻る。
―――今度は、もう少し星の名前を覚えてみよう。
いつか、あの星になれるように。
End.