差し込む月光
□<愉しくて。>
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なぁ臨也、お前は何がしたいんだ?
お前が俺にわざと嫌われる様な事をしてるのはいい加減分かってんだ。
そのぐらい俺でも分かる。いつもお前が、俺に喧嘩吹っ掛けた後、心底楽しそうに笑ってる事ぐらい……。
最初気付いた時はいつもの嘲笑だと思って気にも留めなかった。
だが長年臨也を見てるうち分かったんだ。これは嘲笑なんかじゃねぇってな。
マゾヒストかとも思ったが、どうやら違うらしい。何か目的があってそうしている様な…
それだけじゃねぇ。臨也は俺が気付いてる事すら分かって挑発してやがるんだ。
やっぱりムカつく野郎だな。
それでも__それでも、分かっていても俺は挑発に乗って怒り狂う。
そして飽きもせず臨也は俺の前にあえて姿を現す。
お決まりの様に喧嘩をして、お約束の様に追いかけ合う。
繰り返し繰り返し、辿る日常。
辿って、沿って、飽きるまで。全て知った上で同じ事を何回も。
飽きるのはどちらが先だろうな?
そして今日もお前は嗤うんだろう?いつもの様に。
気付けば俺も……笑っていた。
呆れるほど狂っている、俺達の日常。