SNOW*ROSE
□第4章
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白雪は真実の刀を手に入れた翌日、黒漣を呼んだ。
「黒漣、いるんでしょ。でてきてよ」
すると白雪の正面の空気がゆがみ、そのゆがみの中から黒漣が現れた。
「何のようだ」
「黒漣、わたしを神の世界に連れて行って」
白雪は決意のこもったまなざしで黒漣をみつめる。
一方黒漣はまるで信じられないものを見たかのような表情をしている。
「なんだと・・・?」
「わたしをあなたたちのいる世界に連れて行ってっていったの」
「なぜだ」
「・・・・・・伝えたいこと・・・いいえ。伝えなければいけないことがあるからよ」
「ならば我に言え」
そうなのだ。
黒漣に伝えれば簡単にすむ。それでもこのことは自分の口で言いたかった。いや。言わなければならないのだ。
それは直感といわれるもの。
「いいえ。わたしが伝えるわ」
「・・・はぁ・・・。つい最近は白雪の運命にないていただけの娘だったのにな」
「人は成長するものよ。良くも悪くも・・・ね」
「なるほどな。いいだろう、連れて行ってやる。だが注意しろ。あちらの世界で人間は疎ましい存在だ。なにをされるか分からんぞ」
その言葉に一瞬白雪の決意が揺らぐ。
それでも・・・
「結構よ。人間だってあななたちに伝えたいことがあるんだもの」
白雪の言葉に黒漣はため息をつき、瞳を閉じた。
「お前も目を閉じろ。世界を移動させる」