SNOW*ROSE
□第6章
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そのとき白雪は以前、咲菜に言われた言葉を思い出した。
『白雪(はくせつ)の運命を背負った人は、その命をかけて禁忌を犯した人間を罰せなければならない。でも・・・もしそれが出来なかったり、しようとしなかったりしたら白雪(はくせつ)の運命を背負ったものはその命を持って償う。つまり死なないといけない』
それはつまり自分が死ねば世界は救われるということなのではないのだろうか?
白雪は『真実の刀』を持ち上げる。
「白雪っ!!」
咲菜が叫ぶ。
大丈夫だよ。
竜魅は殺さない。
だって大切な親友だもの。
竜魅を壊してしまったのはわたしのせい。
ならわたしが責任をとる。
白雪が『真実の刀』を自分の心臓の上に持ち上げる。
すると、それまで動かなかった黒漣が白雪を止めようとする。
そのとき、黒漣の後ろの空間が歪み、1人の男が現われた。
そして黒漣をとめる。
「何をするんだ、泉爛!!」
「すまない・・・神の長の命令だ・・・」
「なぜ!?」
「人が何をするのかみたいらしい」
その言葉を聞いて、咲菜は絶句する。
つまり神の長は白雪を見捨てたのだ。
「やめてっ白雪!!」
「・・・なにをするつもりだ。白雪」
白雪は2人の親友に微笑む。
「わたし、咲菜と竜魅に会えて幸せだったよ?だから・・・ありがとう・・・」
その言葉を最後に、白雪は『真実の刀』を自分の胸に突き刺した。
「っ・・・白雪ぃぃぃぃぃー!!!」
咲菜の絶叫が竜魅の部屋に響く。
「白・・・雪・・・?何を・・・?」
正気に戻りつつある竜魅の目が見開かれる。
白雪は駆け寄ってきた咲菜と竜魅に体を支えられ、静かに息を引き取った。
「っあ・・・あ・・・あぁぁぁぁぁー!!」
「うそだ・・・こんなの・・・うそだぁぁぁー!!」