SNOW*ROSE

□最終章
2ページ/4ページ

2209年 4月9日
香川県


とある民家の一室で目覚まし時計が盛大に鳴り響いていた。

「うぅ・・・うるさいよぉ・・・」

そういいながら目覚ましを止める少女の名は白百合(しらゆり)。
今日から高校1年生になる。
つまり今から入学式だ。
白百合は地元から引っ越してこの高校にきた。
そのためこの家には白百合以外人はいない。
2度寝をしても怒られることはないが、入学式で遅刻するのもいかがなものか。

「はぁ・・・眠い・・・。なんで昼からにしないのかなぁ・・・?」

そうぼやきつつも白百合はもぞもぞとベットから下りる。

「うっ寒っ!」

もう4月に入ったとはいえ、まだまだ空気は冷たい。
両手で腕をこすりながら制服に着替えて朝食を用意する。

「そういえばわたし、何組になるんだろう?」

クラスは入学式の日に貼り出されることになっている。
しかも名前の順番は出席番号順ではなく、頭のいい人からだとか。
つまり一発で頭がいいか悪いかが分かってしまうのである。
ちなみの白百合の頭はいい。
英語を除いて。だが。

「ん?やばっ!もうこんな時間?遅刻するぅー!!」

時計は8時30分を指している。
入学式は9時からだが、8時50分には学校についておかなければならない。
もちろん何組か確認してから。
白百合はいそいでパンを口の中に詰め込んで、家を出る。
白百合の家はマンションなので走りながら階段を下りていく。

「間に合うかなぁー?」

自転車置き場においてあった自転車に飛び乗って必死でペダルをこぐ。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ