GEASSX
□エリンジュームの指輪 第5話
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中等部は部活に強制的に入る。特別な事情が無い限り、それは免れ無い。転校生の二人にも適用され、ルルーシュとユーフェミアは部活見学をしていた。
「運動は苦手なので、部活なんて入りたくありませんわー」
「文化部もあるから、そちらを見てみましょう?」
「お菓子作りが出来る部活は無いのですか?」
「あるけど、材料費とかかかるでしょう?それにユーフェミアには…」
「私だって頑張れば出来ますわ!」
ユーフェミアの料理の腕前は格別だった。そもそも彼女にはセンスがない。お菓子作りなんて以ての外だ。
「ルルーシュが入れば、私はお菓子を食べれますわ!」
「いつも食べているでしょう?」
「そうでした!」
ユーフェミアは笑った。
いつもルルーシュのお菓子を楽しみにしている。
クッキング部、文芸部、美術部を見たがピンと来ない。
二人は廊下を歩きながら運動部も一応見てみることにしてみた。
「わー!格好いいですわ!」
アーチェリー部と弓道部が揃って練習している道場。二つの部活は歪み合っていると聞いたことがあるとルルーシュは言った。
「でも、弓なんて射てませんわ」
「そうね、兎を狩るのも鹿を狩るのも猟銃に変えてしまってからは弓も久しく触ってないわ…」
「…今度、ルルーシュの御宅にお邪魔する時は食料をお持ちしますね」
あら、そう、悪いわね。そう言うルルーシュは嬉しそうにしている。
「おい、決まらないのか?」
「C.C.も決まって無いでしょ」
「カレン、C.C.」
「お二人も決まって無いのですね、次は運動場へ行きませんか?」
「いいね、行きましょう」
4人は運動場へと向かう。
運動場では陸上部やサッカー部が練習をしていた。
「私、陸上部見て来ていい?」
「ならば帰りにまた会おう。」
カレンと別れ、3人は体育館へと向かった。其処ではテニス部やバスケットボール部が練習している。
「…テニスか、魔界でやったあれと似てるな」
「あぁ、あれね。」
「あれ、とは?」
「カレンとC.Cが暇つぶしにトゲトゲの実で打ち合いをしていたの。あの時は棒だったわね。」
「トゲトゲの実ってあの割れると臭い実ですか?」
二人は木の上で落ちている木の棒でトゲトゲの実を打ち合った。
ダメージを負い、実が割れた方が負けになる。負けるとトゲトゲの実が割れて酷い悪臭が身体に染み込む。
「久しぶりに血が騒ぐな、行ってくる。」
「行ってらっしゃい」
「…」
森に住んでいる魔法使いは変わり者が多いが、そのようなユーフェミアの想像を超える遊びをしているとは思いもしなかった。
「私達は残りの部活を見てみましょう。」
「…はい」
ユーフェミアは反応が遅れながらも彼女と共に体育館を離れた。
第二体育館へと向かい、馬術部や水泳部が活動をしていた。
「乗馬出来るのね、懐かしいわ」
「ルルーシュ!ルルーシュ!
私あれをやって見たいですわ!」
ユーフェミアが指差したのは高飛び込みであった。ルルーシュはさっと青ざめて自分は階下の馬小屋へ行くと言って別れた。