□ブックタイトル
東方求聞私記。

□執筆開始日
2010年05月05日

□カテゴリー
小説
 同人

□概要

過去の現を羽織ったる。
夢はいつも優しく、しかし残酷な結末だ

過去の現を着飾ったる。
夢はいつも楽しく、けれど稚拙で惰弱ね

過去の夢を取繕ったる。
現はやはり苦しく、もはや狂気の沙汰か

或るちっぽけな、幻想入り。
 
 

□読者へのメッセージ

 車窓から視える景色は

 絶え間ない記憶からなる記録の断音符

 千篇が万律

 既に決定された

 過去でしかない轍の渦は

 未だに不確定の振る舞いを崩さない

「此処は成り損ないの成れの果て

 空白の縁。フラクタルの死角
 
 寄る辺ない幻覚

 ――有り体に云えば、そう、神の視座」

 魔笛をあげる汽車の客室

 背中合わせ

 いやに若い貴婦人が穏やかに、問うた

「不実の式。
 
 輪廻転生はあなたたちに何を齎した?」
 


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