年間行事
□花見 2年生編
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「よーし。ドキドキ☆ロシアンルーレーッツ!!」
紘都は、手にしていたカバンからシュークリームの入った箱を取り出した。
「この中にー1つだけーワサビ入りのシュークリームがーありまーす。それを選んだ人はーなんとー、大当たりーっ!! 俺の発明品を贈呈しまーすっ!!」
それ、アタリというか、ただの実験台なんじゃ・・・。という突っ込みは誰もしなかった。
なぜなら、常識人である啓人と慶介は呆れてものも言えない状態だったからである。
「えーと…。盛り上がってるとこ悪いけど…広島? 一つ、あきらかに緑色のシュークリームがあるんだけど…」
「おー。よく気づいたなー。小西。これはー、ラッパ少年専用なんだー」
「よかったね、あっちゃん。とっても、おいしい役だよ」
そう言うと蒼太は、その緑色のシュークリームを手にし、新の口に突っ込んだ。
「んぇっ!? ・・・・・・」
「どうだ? 新」
「おいしい」
「え?」
紘都以外の全員が「?」を飛ばした。
あきらかに緑色でワサビが入っていそうなのに?
おいしい??
新、舌までおかしくなったのか? と。
「ざーんねんでしたー。それはー、抹茶シュークリームでしたー」
「紛らわしいことするなっ!!」
これで残り、5つ。この中に1つだけワサビ入りがあるのだ。
「誰から行く?」
「じゃ、じゃぁ。俺から。5分の1だろ」
晴希が前に出た。
「にっちゃん、頑張って」
「お、おぉ」
そして、晴希は一つのシュークリームを手に取った。
「食うからな」
全員が見つめる中、シュークリームを口の中に放り込んだ。
「・・・・・・。ん?」
「どう? にっちゃん!!」
「うん。いや、ワサビじゃねぇけど・・・なんだこれ? ・・・普通のシュークリームじゃねぇな。・・・っつーか、まずい!」
「それはー、グリンピースとヨーグルトを混ぜたクリームが入ってるんだー」
「おぇっ!! 俺、グリンピースダメなんだ・・・」
晴希は中身がグリンピースと聞き、涙目になった。
「じゃぁ、次はオレね」
蒼太は右端にあったシュークリームを手に取った。
残りは4つ。4分の1だ。
「アタリですように!!」
そして、一口。
「・・・・・・ん? うわ〜…」
「蒼太!? どうした?」
「ピーマンの味がする」
「大当たり〜。それはーピーマンとーヨーグルトをー混ぜたクリームが入ってるんだー」
「オレ、ピーマンキライなのに」
「知ってるー。それにー、なぁーが右端選ぶ癖もー」
「ひーちゃん、ヒドイ!!」
「次、けーすけとけーとどっち行くー?」
「…宇津。真ん中だ」
「真ん中?」
「あぁ。あれは、ワサビじゃない」
「何でそんなこと」
「信じろ」
「…わかった」
啓人は、真ん中を。慶介は左のシュークリームを手にし、口の中に放り込んだ。
「・・・うまいな」
「あぁ」
「けーすけっ!! 何でわかったんだよ!!」
「さぁな」