小説

□たんぽぽ戦争・Episode1
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みなさん。こんにちは。アタシはとある県に浮かぶ小さな島に建つ県立高校の、吹奏楽部部長の西村遥です。
今、アタシたちは、ものすごくヒマです。

「ねー、暇だねー」
「ん? まぁね」

こっちは熊谷千波。我が校の生徒会執行部女子副会長にして我が吹奏楽部の名ドラマーです。ちなみに、アタシはトロンボーン♪

「HUUU。散歩行こー」

コイツは山崎花子。毎回、HUUUU(フーと読む)やホゥなどといった奇声を発している。担当はテューバ。低音パートのでっかい楽器です。そして、その大切な楽器で小人を飼っているという変人でもある。

「えー、メンドイ」
「パス」
「ホゥ・・・↓↓」

アタシと千波に即答されて花子は傷心気味。でも、ま、いっか。

「ねー、聞いて」

こっちは菅原真由。吹奏楽部の副部長です。トランペット吹きです。眼鏡っ子です。バナナ大好き人間です。

「どうしたの?」
「面白い話?」
「ホゥ↑↑」
「今日、体育教官室の掃除だったの」

そして、真由は語りだした。アタシたちの学校は、まぁ、どこの学校もそうなのかもしれないけど、6時限目まで普通に授業をしてその後に清掃の時間があって、その後部活動の時間になります。

「で、普通に掃除してたら、関が窓も拭けとか言い出して。ンなの大掃除の時に言えって感じじゃない? しかも、机の上拭いてたらもっとしっかり拭けとか言うし。アイツら何様って感じでしょ?」

関とは、関孝則とかいう体育科教師で、アタシ達吹奏楽部の、いや、文化部全ての敵です!!

「うわ、最悪。ご愁傷様」
「千波、来週教官室の掃除当番じゃない?」
「あー。そっか。来週休もっかなー」

言い忘れてましたが、千波と真由は同じ3年1組です。アタシは3年2組で、花子は3年3組です。そして、体育教官室の区域は3年1組の担当なのです。
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